働き世代の減少が叫ばれる現在の日本ですが、それでも女性が40代に入ってから転職するのは簡単なことではありません。
体力や時間のある若い世代に比べると、長時間の勤務を続けるのは体力的にきついものがありますし、子どもの世話を考えると深夜におよぶシフトをこなすことは難しい人が多いでしょう。
今回はそんなハードルの高くなる40代女性の転職について、おすすめの職種や注意点をご紹介します。
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40代女性の転職が厳しくなる理由
40代女性が転職しづらくなる理由は、前述した本人の問題も挙げられますが、一方では、企業側が40代に求める条件にも潜んでいます。
以下はとある調査で明らかになった「35歳以上を採用する際に求めるものは?」というアンケート結果の要約です。
- 専門性(76%)
- 自社にない能力・経験(56%)
- マネジメント力(38%)
- 問題解決力(31%)
- 高いモチベーション(25%)
- 変革を推進するリーダーシップ(25%)
6番目までを列挙していますが、トップ2にランクインしているのは、「専門性」と「能力・経験」となっており、これまでのキャリアで培ってきたスキルが必要とされているのです。
キャリアを途切れさせることなく積み上げられる男性とは違い、結婚や出産、子育てで一時期的でもキャリアが途切れがちになる女性の多くは、このようにスキルを問われると苦手意識を持つ人も少なくありません。
現に、入社のための試験や面接でこの部分がネックとなり不採用となる人も存在します。
20代などの若い世代では、これからの可能性にかけて採用されることもありますが、40代ともなるとそこに期待されることはないでしょう。
データ元:https://partners.en-japan.com/enquetereport/old/101/
40代女性におすすめの未経験でも可能な職種
ここでは、前章でご紹介した高い専門性や能力・経験がなくとも採用されやすい「未経験でも転職可能な職種」をご紹介します。
介護職員
40代女性が最も求められていると言っても過言ではないのが、介護職です。
女性ならではなきめ細やかで優しいサポートが期待されています。
実際に実の親などを介護した経験があれば、採用される可能性はグンと高くなるでしょう。
保育士
介護職員と同じく、女性が有利な職種です。
現在の日本は空前の保育士不足に陥っているため、エリアによってはかなりの好条件で採用されることがあります。
育児の経験があれば資格を有していなくてもサブ的なポジションで採用されることも多く、無資格でも一度は確認しておきたい職種と言えます。
医療事務
主に自宅近くの個人医院やクリニックでの受付業務が多くなりますが、専門的な資格がなくても採用されるケースも多いです。
様々な世代への対応が必要となるため、経験豊かな40代女性が重宝される職場でもあります。
家事代行
働く女性の急増を背景に、昨今採用枠が拡大しているのがこちらの職種。
家事の経験が豊富な40代女性が採用されやすい職種でもあります。
家事が特段得意というわけでなくても、各企業が有しているノウハウやトレーニングプログラムを受けることで、家事が得意になり、実生活でも生かせるなど一石二鳥のお仕事と言えるでしょう。
保険営業
お客様の多くが家族を持つ主婦となるこちらの職種では、同じ経験をしている40代女性が重宝されるお仕事になっています。
住宅アドバイザー
展示場などで住まいについての説明をする職種ですが、保険営業と同じく主婦の経験が活かせる職業と言えるでしょう。
塾講師
学生時代に教員免許だけは取得したという人は多いもの。
そんな経験を活かせるのが塾など子ども向けの講師です。
幼児期や小学生低学年から塾に通わせる家庭も増えており、専門性の高くなる中高生の指導が難しいと感じる人にも就きやすい職種と言えるでしょう。
経験を積むと自宅で個人塾を経営することも可能で、末長く続けられる点も嬉しいポイントです。
タクシードライバー
働く女性の増加を背景に、女性ドライバーの需要は高まっています。
男性と2人きりの空間が苦手という女性の中には、必ず女性ドライバーのタクシーを手配するという人も。
普通免許の他に「普通第二種免許」と呼ばれる免許が必要となりますが、一度取得しておけば安全な運転ができるうちは末長く働き続けられる嬉しい職種です。
ペットシッター
日本に空前のペットブームが到来して久しいですが、単身世帯の増加を主な理由にペットシッターの職が拡大しています。
長期の出張や旅行、日中の犬や猫のお世話が主な仕事ですが、動物好きで家事や子育てと両立させたい女性にとっては働きやすい職種と言えるでしょう。
40代女性が転職する際に注意したいこと
最後に、40代女性だからこそ注意しておきたい転職時のポイントを、転職活動の順に追ってご紹介します。
応募時
ほとのどの企業が応募時に必要とするのが、応募者の履歴書です。
第一印象を左右される最も重要な書類ですが、若い世代とは違い正確に書くことはもちろん、マナーを守っていなくてはいけません。
「ふりがなはひらがなで、フリガナはカタカナで書く」「住所を省略しない」と言った基本的な部分はもちろん、証明写真はスーツで撮ることも重要です。
また、学歴は高校あたりから書くのが一般的ですが、職歴はいずれのものも省かずに書くようにしましょう。
資格や経験など、職歴でアピールしたい点は、自己PRにまとめるようにしますが、応募先の職業に生かせる部分があれば抑えるようにすると、採用の可能性が高まるでしょう。
職歴に生かせるポイントがなかったとしても、40代だからこその経験や知識を積極的にアピールポイントとして記さなければいけません。
面接時
いずれの職種でも、サイズのあったダークカラーのスーツで臨むのが基本です。
女性は完璧なスーツスタイルでなくても問題ない場合もありますが、スーツは必須で着用するようにしましょう。
髪の色やアクセサリーなど、年齢相応の落ち着きが出せるものでなくてはいけません。
また、汚れていたり傷んでいたりするものは、事前に買い換えるなどして準備しましょう。
面接時には、相手の目を見てしっかりと答えるように意識する必要がありますが、多少の緊張や返答のつまりが許される若い世代とは違い、落ち着いたスムーズな会話があたり前とされているのが40代です。
事前に練習するなどして余裕を持って臨める工夫をしましょう。
採用後
仕事に没頭できる若い世代とは違い、家庭の都合や自身の体力などでシフトを調整する必要があるのが40代女性です。
せっかく採用されたのだからと意気込んでしまう気持ちがわかりますが、長期間働くためにも無理のない勤務時間を企業に伝える必要があります。
新しい環境に慣れるための期限を設けてそれを会社側と共有しておくのも方法ですし、家族に協力を得る必要もあるでしょう。
重要なのはセルフコントロールと周囲に誤解を生まないことです。
せっかくの転職活動を台無しにしないためにも、採用後も工夫することを忘れずに。
40代の転職は、自分のキャリアや個性をしっかり分析して挑む!
40代の転職は、若い世代がおこなうよりもハードルも高く、注意すべき点も多いです。
転職の成功のためには、未経験でも採用されやすいものを選び出し、自分の個性や経験を最大限にアピールしましょう。
マナーを守るなど「40代なのだからあたり前」を思われるものを必ずクリアしておいた上で、自分らしさをキラッと光らせる転職活動を目指しましょう。

一般社団法人 Mission Leaders Academy Japan 代表理事
堀内 博文
1990年、高知県生まれ。
若手起業家、または起業を目指す 20 代を中心に、ビジネスでの結果を約束する Result Business Producer として活躍していたが、『自分の命の使い道』を『人を目覚めさせ本来の在るべき真の姿に導くこと』と定め、現在は一般社団法人 Mission Leaders Academy Japan 代表理事としてさらに活動の場を大きくしている。