ビジネスマンが仕事を辞める際に理由となる事柄はいくつかありますが、人間関係が理由で退職を余儀なくされる人も存在します。
しかし、「退職理由は人間関係が理由です」とはっきり転職先へ伝えてもいいのでしょうか?
今回は、人間関係が理由で会社を辞めた際の転職方法についてご紹介します。
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人間関係で辞める人はどのくらい?退職理由ランキング
2018年にtype転職エージェントが9,401名の転職者へ行ったアンケート結果があります。
「本音の退職理由ランキング2018年版」と題されたアンケートですので、ある程度の転職者の本音が垣間見られるアンケート結果になっているようです。
第1位:業務内容 7,115人(75.7%)
第2位:勤務地 4,573人(48.6%)
第3位:働き方の改善 4,087人(43.4%)
第4位:年収アップ 3,898人(41.4%)
第5位:業界・立ち位置 3,507人(37.3%)
第6位:職場環境・風土 922人(9.8%)
引用元:https://type.career-agent.jp/knowhow/leaving_reason.html
最も多くの転職者が答えたのは、「業務内容」です。
「今より責任感のある仕事がしたい」「自分のスキルを活かしたい」などの思いがこちらの回答にあたります。
次いで多いのが「勤務地」ですがこちらには、「若いうちに東京で働きたい」「子育てと両立できる場所で働きたい」と言った声が多く含まれるでしょう。
「人間関係」という回答は上位には見当たらないものの、第3位の「働き方の改善」や第6位の「職場環境・風土」の部分に少なからず人間関係についての不満を持っている人が含まれるものと考えられます。
以下は、2016年に厚生労働省が発表した「平成28年雇用動向調査結果の概要」に含まれる調査結果です。
「転職入職者が前職を辞めた理由別割合」が以下のランキングになります。
第1位:給料など収入が少なかった 13.8%
第2位:労働時間・休日などの労働条件が悪かった 13.7%
第3位:職場の人間関係が好ましくなかった 9.2%
第4位:会社の将来が不安だった 9.2%
第5位:定年・契約期間の満了 6.8%
引用元:https://mynavi-agent.jp/knowhow/interview_method/questions/08.html
こちらの調査結果では、第1位の「給料・収入」第2位の「労働条件」についで、第3位に「人間関係」がランクインする結果となっています。
また、全転職者のうちの1割程度が退職理由として人間関係を挙げることも伺えます。
人間関係が理由で辞めた時の転職先への伝え方とは?
では一体、人間関係が理由で前職を辞めた際には、転職先へどのような説明をすべきなのでしょうか?
転職先へ人間関係が理由の退職について話すべき?
転職先に前職を人間関係が理由で辞めたと素直に説明すべきか?
この問いへの答えはノーです。
なぜなら、人間関係に限らずネガティブな退職理由は全て避けるべきだから。
特に、公式な面接の場では時間が限られるため、なるべくマイナスな印象を残さないように心がけなければなりません。
人間関係のトラブルで前職を辞めたというのは大きくマイナスな印象を与えかねません。
正直に話すことで理解を得られるかもしれませんが、好感を持たれることはありません。
では、退職理由を聞かれた時にはどう答えるべきなのでしょうか?
人間関係がきっかけでも、転職先を選んだ理由を分析してみる
前職を辞めた理由は人間関係のトラブルかもしれません。
しかし、それはきっかけに過ぎず自分なりに考えた結果、今転職先を選んで面接を受けようとしているわけです。
転職を決めたのであれば、過去のネガティブな気持ちとは別れを告げて、将来の夢を前面にアピールし目標を達成するための転職であることを理由にしてみましょう。
実際に、大勢の転職者が人間関係のみならず他の様々なネガティブな理由で転職活動を開始していることは事実です。
しかし、多くの転職成功者がそうであるように、転職活動中にポジティブな気持ちに切り替わっています。
そしてその気持ちを自分なりに分析し面接官へ伝えることで転職成功を勝ち取るわけです。
ネガティブな退職理由は全て、ポジティブな理由に変えられる
全ての物事はネガティブにもポジティブにも捉えられるものです。
ここでは、当初ネガティブに感じてしまった退職理由をポジティブな希望に変える参考回答をご紹介します。
・「人間関係」が理由による退職の場合
「人間関係のトラブルで」と退職理由を説明すると多くの面接官は、「また同じ理由で辞めてしまうのでは?」と疑念を抱きます。例えば、前職で個人プレーや同僚間での競争が激しかったことが理由に挙がるなら「今度は、チームで一致団結して目標を達成したい」とポジティブに捉え直してみましょう。
・「残業の多さ」が理由による退職の場合
働き方改革の煽りを受けて、残業に対するケアを重視している会社が増えています。前職を残業が理由で辞めているならなるべく転職先はきっちりと社員の働き方を管理しているところへいきたいものです。
とはいうものの、“残業がしたくない”ことを面接でアピールしていては良い印象を与えられないのが正直なところ。
そこで「オンとオフをきっちり切り替えてこそ、自分は成果が出せる」「しっかり働いて正当な評価を得たい」とポジティブな思いに切り替えてみましょう。
“たくさん働きたくない”のではなく、「プライベートとの両立が実現でき正当な評価の下ならやる気を持って働き続けられる」という正直な気持ちを伝えることができるでしょう。
・「業務内容」が理由による退職の場合
先述の退職理由ランキングでも上位にランクイン「業務内容」が理由による退職。例えば「自分がやりたい仕事ができなかった」と感じ退職をした場合。
そのまま伝えると「自社でも同じように感じるのでは?」と面接官は思うでしょう。
この場合、自分がやりたい仕事について冷静に分析する必要があります。
また、やりたいことができる会社でなければ面接を受けても転職は成功しないでしょう。
事前リサーチを前提に自分がやりたいこととそこにかける熱意、そして自分のスキルをしっかりとアピールすることで転職成功の道はぐっと近づきます。
次は失敗しない!会社での人間関係を良好にするための方法
最後に、新たな転職先で再度人間関係に悩まなくて済むように人間関係を良好にするための方法を知っておきましょう。
1:社内の慣習を知る
新たな転職先にはこれまでの会社とは異なる慣習があるものです。
中にはある程度同僚と関係を深めなければ知ることができないものもあるでしょう。
最初はそうした慣習を知るためにも積極的にコミュニケーションを取る必要があります。
同僚と一定の距離を取りたいと考えている人でも、歓迎会などはもちろん、ちょっとしたお誘いにも初めは顔を出すべきだと言えるでしょう。
2:プライベートとのけじめを付ける
とはいうものの、定時を過ぎてもダラダラと社内に居続けたり、休日を必要以上に社内の交流に使う必要はありません。
プライベートと仕事とをしっかりと区切ることが、転職先で長く働き続けられる秘訣でもあるのです。
3:仕事で成果を出す
人間関係でどれだけ距離をとって居ても、やはり仕事で成果を出している人には羨望や信頼が生まれるもの。
あくまでも働く場所であることを忘れずに、成果を出せる働き方を追求しましょう。
凜とした態度を意識すれば、良好な人間関係はついてくる
人間関係が理由となる退職に関してお伝えしてきましたが、いかがでしたでしょうか。
基本的に、人間関係に限らずネガティブな理由で退職する場合、それを転職の際に正直に伝えてしまうと、あまりいい印象にはなりません。
なので、伝え方は気をつけてくださいね。
また、新しい職場で同僚と距離をとり仕事に邁進する姿に、寂しさを感じる人もいるかもしれません。
しかし、“凜とする”というイメージを持ち続ければ、人間関係のトラブルや寂しさに出くわすことなく成果を出せる働き方を発見できるでしょう。

一般社団法人 Mission Leaders Academy Japan 代表理事
堀内 博文
1990年、高知県生まれ。
若手起業家、または起業を目指す 20 代を中心に、ビジネスでの結果を約束する Result Business Producer として活躍していたが、『自分の命の使い道』を『人を目覚めさせ本来の在るべき真の姿に導くこと』と定め、現在は一般社団法人 Mission Leaders Academy Japan 代表理事としてさらに活動の場を大きくしている。