女性がリーダーとなってチームを成功させるためにはコツがあります。
女性には細かな気配りや察する能力など、男性にはなかなかできない良さがあります。
それらをどのように使ってチームをまとめるかが、成功のカギとなるのです。
自分はメンバーに間違った態度をとっていないかなどを確認して、できるところから始めましょう。
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女性のリーダーは嫌われる!?そうならないために
パーソナル総合研究所の14ヶ国を対象とした「働く意識調査」によると、日本は「女性上司のもとで働くことに抵抗がない」と答えた人の割合が対象14ヶ国の中でワースト1位。
リーダーと上司ではおこなうことも異なりますが、女性が上に立つという面では同じであるためこの調査をご紹介しました。
女性には上に立たれたくないという日本の昔ながらの気質もあるのかもしれませんが、日本には女性上司やリーダーとしてロールモデルが少なく、どのように動けばいいのかわからないという人も少なくないでしょう。
リーダーとしてどのように行動すべきなのかがわかっていれば、それを意識することで「女性だから」と嫌がられてしまうことは減るはずです。
ではどのように行動していけばいいのか、このあとご説明します。
「上司にしたい女性有名人」から考える理想の女性リーダー
2019年にワークポートがおこなった調査によると、上司にしたい女性有名人は以下のとおりでした。
- 天海祐希
- 吉田羊
- 真矢ミキ
では選ばれた理由にはどんなものがあるのでしょうか。
<天海祐希>
- 堂々としており信頼感が持てそう
- サバサバとしていて決断力がありそう
- 仕事に真摯に取り組みそう
- 安心感、厳しさ、ユーモアがありそう
- 前向きになれるフォローをしてくれそう
<吉田羊>
- 仕事とプライベートのオンオフが上手そうで、仕事中は頼りがいがあり、仕事が終われば気さくに接してくれそう
- リーダーシップがあり面倒見が良さそう
- 憧れを持ちながら仕事ができそう
- 仕事でつまずいたときに、できるまで付き合ってくれそう
- 相談しやすそう
<真矢ミキ>
- 人として存在感がある
- 迅速に判断してくれそう
- ついていきたくなる雰囲気
- きちんと叱ってくれそう
- 優しくかっこいい、凛としている
- ユーモアもありそう
上記の理由から、女性上司に求められているのは
- ついていきたくなる信頼感
- 相談のしやすさと的確な返答
- 仕事ができるだけなくユーモアもある
この3点であることがわかります。
女性リーダーとしてもこの3点ができていれば、周りがついてきてくれるようなリーダーに馴れると思いませんか?
しかし、いきなりこのような完璧超人のような女性リーダーを目指すのは困難です。
まずは自分自身を振り返り、自分でできるところから始めていきましょう。
女性リーダーがチームを成功させるコミュニケーション
女性リーダーにとって、コミュニケーションはとても大切な要素です。
リーダーであらねばという思いから、ときに誤ったコミュニケーションをしている人もいます。
話し方には注意
仕事が遅いメンバーに対して
- 「〇〇しておいてっていったはずだけど?」とただ叱る
- 「どうして間に合わなかったのか」と理由を明確にし、進め方を考える
上記のどちらがいいかといえば、当然後者です。
しかし、仕事が遅いメンバーにイライラしてしまい、前者のように怒りをぶつけてしまうことはありませんか?
もしかしたら、遅れたメンバーは与えらた仕事の進め方がわからなかったのかもしれません。
その場合、頭ごなしに怒りをぶつけてしまっては余計に相談ができなくなってしまいます。
しかし、後者のように一緒になって考えてくれるリーダーなら、「困っていることがあれば相談してもいいんだ」とメンバーも感じるでしょう。
話しかけやすさはコミュニケーションでもっとも大切なことと言っても過言ではありません。
声のトーンや口調、返答のしかたを意識してみましょう。
また、「あのさぁ」「ねぇ、ちょっと」といったように名前を呼ばれないと、「この人は自分に関心がないのでは?」と感じてしまいます。
話しかけるときは、しっかり相手の名前を呼びましょう。
感謝の気持ちを伝えて
例えばメンバーから何かをしてもらったときに、「仕事なんだからして当たり前」と思っていませんか。
それはもしかしたら本当に当たり前なことかもしれませんが、ひとこと「ありがとう」という言葉があるかないかでは、あなたに対する印象も相手のモチベーションも大きく変わるでしょう。
ただし、「ありがとう」と伝えるときも、そっぽを向かれたまま言われるのと笑顔で言われるのはまったく印象が違いますので、感謝を伝えるときには、必ず相手の顔を見て感謝の気持ちを笑顔で示してください。
失敗したらいさぎよくあやまることが大切
自分自身が失敗をしてしまったときに、焦りから言い訳をしてしまうことはありませんか?
言い訳は相手をがっかりさせてしまいますし、そんな人に何かを注意されたとしても「あの人も言い訳ばかりなのに」と思われてしまいます。
もし「自分のせいで失敗してしまった」と感じたら、いさぎよく謝りましょう。
コミュニケーション上手は聞き上手
話しをしていると、途中から自分語りになったり、相談をしているのに「私はもっと〇〇だった」といったように自分の話しにしてしまう人、いますよね?
リーダーとしてメンバーを引っ張っていきたいのであれば自分語りをしたり、人の話しに自分のことを被せて話すのはやめましょう。
話したいことを話せない状況というのは相手をイライラさせ、「あの人には相談したくない」「あの人とは話したくない」という気分にさせてしまいます。
自分は聞き役に回り、相手が話し終えるのを待ってから意見をいうようにしましょう。
正論を振りかざすだけでは聞いてもらえない
正論を振りかざしたときに「正しいことを言っているのだから聞くべき!」と多くの人は心の奥底で思っているでしょう。
しかし正論をぶつけられた相手は「一方的な理屈を押し付けられた」と感じてしまいます。
正論は「こうであるべき」という理屈ですが、理屈をいくら述べても人の心は動かせません。
しかし、理屈は理屈として知ってもらわなければならないことですので、ではその理屈通りにするためにはどうすべきかを一緒になって考えるなど、相手をフォローしたり感情に寄り添うことを忘れないようにしましょう。
リーダーだから偉いということはない
リーダーになることで、「みんなを引っ張っていかなきゃ」という気持ちから尊大な態度になってしまったり威圧的になってしまう人がいます。
いわゆる「上から目線」の人のいうことを聞きたいと思う人はあまりいません。
あくまでもメンバーと対等であるこということを肝に銘じて接しましょう。
だからといって、むやみにメンバーを持ち上げることをしてはいけません。
叱るべきときにはしっかりと叱ります。
叱ったあとは必ずフォローをすればいいのです。
女性リーダーがチームを成功させるマネジメント
チームを成功させるために欠かせないのがマネジメント。
マネジメントがきちんとできていないと、チームとしてのまとまりがなくなってしまいます。
では女性リーダーはどのようなマネジメントをおこなうべきなのでしょうか。
目標や指示を明確に
まず目標を達成するためにいつまでに何をしなければならないのかを明確にしましょう。
「SMARTの法則」というものを耳にしたことがあるかもしれませんが、目標を設定するときに役立ちますので、ご存じの方もあらためて確認してみましょう。
Specific…具体性
目標を具体的に示すには、英語で習う「5W1H」を考えるといいでしょう。
5W1Hは、
- Who(だれが)
- When(いつ)
- Where(どこで)
- What(なにを)
- Why(なぜ)
- How(どのように)
ですので、これにあてはめて具体的に示しましょう。
そうすることで、アクションに結び付けやすくなります。
Measurable…測定可能
ここでいう測定とは数字のことです。
抽象的な目標ではなく数字を設定すると、何をしなければならないのかが明確になります。
例えば「ヒット商品を作る」という目標なら「新商品で5万個の売上を達成する」と変えることができます。
Achievable…達成可能
高すぎる目標はやる気に結びつかないだけでなく、モチベーションを下げてしまうこともあります。
目標を設定するときは、達成できる目標を掲げましょう。
Relevant…関連性
最終的な目標にたどり着くためには、いくつかのステップを踏むでしょう。
そのたびに目標設定をする必要がありますが、その目標は最終目標に関連しているのかを考えましょう。
Time bound…時間誓約
期限が決まっていないと集中力が低下しモチベーションも下がります。
タスクごとに期限を設けて、効率化を計りましょう。
ひとりで抱え込まずメンバーに割り振って
「リーダーだから人一倍頑張らないと」とひとりで仕事を抱え込んでいませんか?
メンバーに仕事を割り振らないとメンバーは成長しませんし、「信頼されていない」と感じてしまうかもしれません。
ひとりで仕事をせず、割り振ってみんなで仕事を進めていきましょう。
ただし、割り振る際には注意しなければならないことがあります。
まず、メンバーの個々の得意分野や個性を把握したうえで、その人に合った仕事を与えましょう。
次に、その人がやったことのない業務であれば、説明をした後に自分で手本を見せてから実際に任せてみるようにしましょう。
やらせてみてどうだったかのフィードバックも忘れずに。
最後に、もしメンバーが失敗してもフォローできるように失敗を視野に入れておきます。
失敗をしても責めるのではなく、「なぜ失敗したのか」を一緒に考えてあげましょう。
メンバーに仕事を割り振っていれば、忙しく働きまわる状況を回避できるので、そのように話し合う時間もとることができるでしょう。
模範的に行動することを意識
自分が悪い見本となってしまってはメンバーにそれが伝線してしまいます。
また、メンバーにさまざまなことを伝えるときに模範的でなければ説得力がありません。
自分が模範となる行動をとっていてもメンバーもそれにならってくれるかというと、すぐには難しいかもしれません。
それでも最後まで模範でい続けるように動くことで、その行動は少しずつメンバーにも広がっていくでしょう。
メンバーへの指示の出し方に注意
メンバーに仕事を割り振るべきとご説明しましたが、指示がわかりやすいものでなければメンバーを混乱させてしまいます。
指示を出すときにも具体的な数字を示しましょう。
また、仕事を割り振ったら必ず進捗管理をしてください。
丸投げしてしまうのは絶対にNGです。
割り振った仕事は最後まで見届けましょう。
女性リーダーがチームを成功させるセルフコントロール
チームを管理するなら、まず自分自身の管理が大切です。
自分自身が万全の状態で仕事ができるように整えましょう。
時間管理
ビジネスでは当たり前のことですが、時間の管理を徹底しましょう。
カレンダーアプリやToDoリストのリマインダー機能を使用して、スケジュールの漏れをなくします。
さらに、通勤中など始業前に1日のスケジュールを確認し、優先順位など整理しておくといいでしょう。
健康管理
日々、体調を崩さないように自分自身の健康管理も怠らないようにしましょう。
- 3食決まった時間にバランスの取れた食事をする
- 決めた時間の前には就寝する
- 適度な運動をする
など、当たり前のことのように思えますが、自信をもって「できている」と答えられる人は多くないでしょう。
また、もしも体調を崩してしまったときにはしっかり休み、体調を直すことに専念するのも大切です。
精神面の管理
リーダーをしていると、壁にぶつかったりメンバーとの関係で悩んでしまうこともあるでしょう。
しかし、感情的になってしまってはミスにつながったりメンバーとの関係性の悪化に繋がる可能性も。
感情が高ぶりそうになったら、ひとりになる時間を作るなどして自分を落ち着かせる方法を考えておきましょう。
まとめ:自分ができるところから変えていけば、周りもついてきてくれる
女性のもとで働きたくないと感じる人が多い日本ですが、それは今まで女性が上に立つことが少なかったという理由もあるでしょう。
目標となる人がいないことで、「どんなふうにチームをまとめればいいの?」と悩んでしまう女性もいるかもしれません。
しかし、メンバーとのコミュニケーションやマネジメント、セルフコントロールなど、コツを掴み、できそうなことから少しずつ変えていくことで、女性リーダーとしてチームを成功させることができるようになります。
メンバーとの接し方など、少しのことに気を配ってみることで、周りのあなたを見る目は変わるでしょう。

一般社団法人 Mission Leaders Academy Japan 代表理事
堀内 博文
1990年、高知県生まれ。
若手起業家、または起業を目指す 20 代を中心に、ビジネスでの結果を約束する Result Business Producer として活躍していたが、『自分の命の使い道』を『人を目覚めさせ本来の在るべき真の姿に導くこと』と定め、現在は一般社団法人 Mission Leaders Academy Japan 代表理事としてさらに活動の場を大きくしている。