日本政府は数年前から「働き方改革」の一環として働く女性の支援に力を入れていますが、実際のところ女性の転職は有利になっているのでしょうか?
仕事をメインに生きられる男性とは違い、働き続けることに様々なハードルがある女性の転職事情に転職体験者の声とともに迫ってみます。
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最新の女性の転職事情とは?※実際の私の知人の声です
まずは、ここ数年のうちで転職したという女性の声を確認してみましょう。
結婚していたり子どもがいたり、様々なライフステージに立つ女性の体験談を集めています。
40代女性:既婚・子どもあり(小学校中学年)
【広告会社から内資系製薬会社の広報へ転職 年収増】
これまでに転職を4度経験しているこちらの女性は、子どもが生まれる前から働いていた会社を、子どもが小学校に上がるタイミングをみて転職しました。
以前の会社は働くママに理解があり働きやすかったものの、意図せぬ異動が続き職場の環境(人間関係)に耐えられなくなったことを転職理由に挙げています。
ビジネスレベルの英語が使えることや前職で製薬メーカーの担当を続けていた経験を買われて、転職先では広報に所属しています。
40代という年齢とこれまでの経験から、マネージャーとして管理職についています。
仕事が深夜におよぶこともありますが、子どもが小学校と学童の環境に慣れていることもあり、働きにくさは感じていないそうです。
30代女性:既婚・子どもあり(乳幼児)
【教育関係事務職から会計事務所の事務職へ転職 年収減】
出産を機に仕事を辞めていたこちらの女性。
2人目の出産を経て家計を支えるために仕事復帰することを決意しました。転職活動と保活のタイミングが合わず、内定を何度か辞退しながらも、前職での事務経験を生かし会計事務所へ入社しています。
勤務時間が子どもを産む前の3分の2程度になっているため、年収も同じくらいに下がっているとのことです。
現職は、時短かつ週4勤務であるため、子育てとの両立がしやすいそうです。
30代女性:既婚・子どもなし
【外資系製薬メーカー営業から内資系製薬メーカー内勤へ転職 年収減】
こちらの女性は、新卒で約10年勤めた外資系の営業職を結婚を機に辞め、深夜残業のない内資系の内勤へ転職しました。
製薬メーカーの営業職は休日出勤や深夜におよぶ接待が多いため、子どもを持つと続けられないと感じたそうです。
転職先には子育て女性が多く、育児への理解が深いことが魅力だと感じています。
残業手当や福利厚生の手厚かった前職と比べると転職によって年収は下がりましたが、無事に子どもを授かることもでき転職には満足しているとのことです。
上記3名の傾向を見ていると分かる通り、やはり女性の転職を考える上では子どもの存在を無視することはできません。
もちろん、独身や子なし女性の転職においても、これからのライフプランが影響することはありますが、比較的スムーズに転職活動を終えられている印象が強いです。
一人目の女性のように、育児が落ち着いてから転職するのも方法ですし、子どものためには、年収の減少は仕方ないと割り切ることも必要と言えるでしょう。
機械化によって奪われる女性の職種
機械化が進む現代社会において、奪われる職種が数多くあることはニュースなどで周知の事実だと思います。
ここでは特に、女性が就くことの多い職種で機械に奪われると考えられるものをご紹介します。
転職活動先としては候補に挙げないことが賢明かもしれません。
秘書職
すでに機械化が進んでいる企業は数多く存在します。
具体的にはグーグルカレンダーやサイボーズなど、人間よりも正確にそして大量のデータが管理できる優秀なツールが台頭しています。
一昔前のように、社員の横についてお茶を出したりスケジュールを管理する時代は終わったと言えるでしょう。
各種受付職
企業に出向くことが多い人は感じていると思いますが、受付担当として女性が配置されている会社は、最近グッと減っています。
その代わりに入り口付近に設置されているのが、社員を呼んだり会社の案内をしてくれるパネル機器やロボットです。
住宅展示場やお店でソフトバンク社が開発したロボット「ペッパー」を見かけたことがある人も多いでしょう。
電話オペレーター
様々な企業に配置されている電話オペレーターの仕事も、近年機械化の影響で減少傾向にあります。
インターネットでの受付や音声ガイダンスが主流になっており、そう遠くない未来には電話での対応自体がなくなることも予想できるでしょう。
データ入力
事務や内勤職の一部にもなっているデータ入力の仕事も、今後は急激に機械化が進むでしょう。
すでにデータ入力を専門におこなっている人は少なくなっていますが、今後ますます減少することが予測できます。
一般事務
事務の仕事は多義に渡りますが、その多くが機械化によってなくなると予測する専門家もいます。
すぐに職業がなくなるわけではありませんが、定年を見据えて働きたい場合などは、長期の転職先としては難しくなるかもしれません。
これからの女性の働き方とは?
なくなる職種がある一方で、転職先としてこれからますます拡大が見込まれる職種があるのも事実です。
ここではそんな職業について確認してみましょう。
保育士・学校教諭
乳幼児を含む子どもを育てる仕事は、人と人との繋がりが重要となる最たる職種です。
機械が代わることは今のところ不可能と考えられるので、しばらくはなくなることがないでしょう。
特に保育士や幼稚園教諭などは、母性が必要とされることも多く、女性の活躍が見込める仕事になっています。
看護師
先生の仕事と同じく、人の体と心のケアが必要となる看護師の仕事も、機械化は難しいと言えるでしょう。
ますます進む高齢化の影響を受けて、働き手が不足している職種でもあります。
介護士
看護師と同じ背景を受けて、募集が拡大している職種です。
また、女性ならではの細やかなサポートが必要とされる職業でもあります。
免許を持たずとも働ける職種もあり、女性の転職先としておすすめです。
栄養士
健康寿命の重要性が叫ばれる日本では、大変重宝される仕事です。
また、人との繋がりや創造性が重視される職種でもあるため、機械化は難しいとされています。
料理好きの女性にとっては楽しみながら働ける職種とも言えるでしょう。
クラウドワーカー
ライフスタイルが大きく変わりやすい女性にとって、企業に属するよりもはるかに自由度の高いクラウドワーカーの仕事を最適だと捉える人もいるでしょう。
自宅に居ながらにして、様々な仕事を一人で請け負うことができます。
育児や親の介護など、予測できない事態にも柔軟に対応することができます。
創造性があり人との繋がりが重要視される仕事は、これからも長く必要とされることがわかります。
資格を取る必要がある職種も多く、転職活動を想定しながら資格の勉強をするのも有益でしょう。
また、インターネット技術の革新により、クラウドワーカーなどのこれまで存在しなかった働き方が増えることも予測できます。
転職活動は柔軟に
女性の人生には、いつの時代も「柔軟性」が必要です。
自分の経験に執着して企業に勤めることだけを重視するのではなく、考え方を変え様々な可能性を追求してみるのも、転職成功への近道と言えるでしょう。

一般社団法人 Mission Leaders Academy Japan 代表理事
堀内 博文
1990年、高知県生まれ。
若手起業家、または起業を目指す 20 代を中心に、ビジネスでの結果を約束する Result Business Producer として活躍していたが、『自分の命の使い道』を『人を目覚めさせ本来の在るべき真の姿に導くこと』と定め、現在は一般社団法人 Mission Leaders Academy Japan 代表理事としてさらに活動の場を大きくしている。