仕事に行かなきゃいけないのに、気持ちが落ち込んで行く気がしないとか、風邪ではないけれど体調不良が続いているという場合、適応障害の可能性があります。
このところ、強いストレスにさらされ続けていた、ということはありませんか?
ストレスくらいで休んじゃいけないと、頑張り続けていると、本当に心が壊れてしまうことがありますので、体調不良を感じているなら休みましょう。
今回は、適応障害の症状や適応障害だと診断された場合の仕事の続け方などについて、お話しします。
どうか、我慢しすぎないでください。
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これは適応障害?気をつけたい症状と原因
適応障害とは、世界保健機構の診断ガイドラインによりますと、「ストレス因により引き起こされる情緒面や行動面の症状で、社会的機能が著しく障害されている状態」という定義があります。
- ストレス性の出来事が生じてから1ヶ月以内に発症
- ストレスがなくなってから6ヶ月以内に改善される
という特徴もあります。
うつ病の初期の状態と似ているのですが、実は明確な基準がありません。
うつ病や不安障害、統合失調症など他の精神疾患で当てはまるものがない場合に、丁寧な問診のうえ、ストレスのせいで日常生活にも支障をきたしている場合に、適応障害と診断されます。
ただ、適応障害と診断された人が、5年後にうつ病と診断名が変更されることが40%以上にものぼっているため、精神疾患ではないと楽観することはできません。
適応障害に見られる症状
今このような症状がありますか?
- 気分が沈む、抑うつ気分
- 不安感、苛立ち
- 集中力が低下している
- よく眠れない
- めまい、動悸
- 食欲がない
- 暴飲暴食をしてしまう
- 仕事に行きたくなくて遅刻をしてしまう
- 暴力的になる、暴言を吐く
症状は精神的なものから身体的なものまで幅広く、中には肩こりなど疲労感のようにして出てくることもあり、はっきりと「これが適応障害です」という症状が決まってはいないのです。
ただ、これらの症状が続いており、他の精神疾患には当たらない場合には、適応障害の可能性があるのです。
どんなストレスも原因になりうる
ではどのようなことが原因で適応障害になるのか、それにも様々な要因があります。
その人によって、ストレスの捉え方が違うので、他の人にはなんでもないようなことでも、自分にとっては大きなストレスになることがあるでしょう。
ですから、このようなことが適応障害の原因になる、と断定することもできないのです。
適応障害になりやすい人
ストレスの捉え方が人によって違うように、ストレスへの対処の仕方も人によって違います。
これはストレスだと感じても、上手に解消することができれば適応障害にはなりにくいのですが、それができないと、自分を追い込んでしまいがちです。
- 完璧主義
- 〜すべきと考えがち
- 人に頼るのが下手
- 断れない
など、性格的には、真面目で頑張り屋の人が適応障害になりやすいです。
真面目なことは決して悪いことではないのですが、時には上手に手を抜くことも大事。
いつも、「こうでないといけない」と考えがちの人は、気をつけてください。
適応障害になってしまったら迷わず休もう
もし適応障害と診断されたからといって、すぐに仕事を辞める必要はありません。
しかし、心が疲れている状態ですから、今のままではこれまで通りの仕事をするのは難しいです。
ですから、しっかりと休んで、心の体力を取り戻しましょう。
早期に適切な治療を受けることが何より大事!
適応障害は、ストレスの原因となっているものが取り除かれれば、6ヶ月以内に治ることが多いとされています。
しかし、自分が適応障害になっているという自覚のない人も多く、辛い症状を抱えたまま仕事を続け、心身ともに疲弊してしまう人がいますので、体調が良くないと感じたら、早期の受診がとても大切です。
単なる疲労であれば、一晩ぐっすり眠ったら元気になるのではないでしょうか?
しかし寝ても疲れが取れない、だんだん気分が沈んでいくというようなことが続くなら、それは適応障害を疑い、正しい対処法を知らなくてはなりません。
うつ病に移行してしまう前に、適切な治療を受けましょう。
休むことは甘えじゃない!大事な自分をいたわること
心は、一度壊れると、元に戻るのに時間がかかります。
真面目で、責任感の強い人ほど、このくらいで休んではいけないと無理をしがちです。
しかし、風邪でもないのに不調が続くなら、それは心と体が悲鳴を上げているのです。
本当に壊れてしまう前に、勇気を出して休まなくてはなりません。
インフルエンザにかかったり、骨折をしたりすれば、仕事は休むと思います。
それと同じことです。
適応障害で休むことは甘えでも、わがままでもなく、自分のために必要なこと。
迷わず休みましょう。
適応障害から仕事に復帰する時に気をつけること
仕事を休み、治療も受けて、だいぶ良くなってきたと思ったら、仕事に復帰することを考えます。
無理なく仕事を続けていくために、以下のことに注意をしてください。
ストレスの原因は除去されているだろうか
仕事を休んで、元気になってきたとしても、職場の環境が以前と全く変わらないのでは、復帰してもまたストレスで体調を崩してしまう可能性があります。
適応障害は、ストレスの原因が取り除かれれば治ることが多いので、自分にとって何がストレスだったのかをはっきりさせておくことが大事です。
例えば、上司との関係が良くなかった場合、パワハラを受けていたなどの事実があれば、それを訴えても良いでしょう。
もしくは、自分が他の部署に異動できないか、人事担当者に掛け合ってみます。
そのまま復帰しても、また同じことの繰り返しになるので、復帰前にストレス源をどうするのかを考えましょう。
上司に相談できるものであれば、素直に悩みを打ち明けて、相談に乗ってもらうと良いでしょう。
今の自分に合った仕事のやり方が選べるだろうか
もしも、その部署での仕事のやり方、周囲とのコミュニケーションなどでストレスを溜めてしまった場合には、仕事のやり方が変えらえるかどうかを、上司に相談してみます。
会社の規模によっては、人事異動が難しいこともあると思いますので、仕事のやり方を変えることによって、ストレスが溜まらないようにします。
- 一人でもできる仕事
- リハビリがわりにできるルーチンワークはないか
- 疲れたら休めるような在宅勤務ができないか
など、心に負担がかからない方法で働くことができれば、少しでもストレスから解放されるのではないでしょうか?
折しも、コロナ禍により、在宅勤務が当たり前になりつつあります。
自分でも、在宅で仕事ができるというアピールをしていくなどして、気持ちを楽に働ける方法を模索しましょう。
ストレスへの適応力を高めていくことも大事
再び適応障害にならないためには、ストレス源を取り除くと同時に、ストレスに強くなっていくことも大切です。
今のストレスを除去したとしても、またいつか同じようなストレス源が湧いて出てきます。
私たちはストレスを避けて通ることはできないので、ストレスをなくす方法を考えるよりも、ストレスをどう受け止めるのか、どうやって自分の中で小さくしていくのか、ということも、同時に考えていきましょう。
強いストレスを感じた時に、何をすれば気がまぎれるのか?その方法をたくさん知っていることが、楽しく生きるコツです。
- 美味しいものを食べる
- 映画を見に行く
- 散歩をする
- スポーツをして汗を流す
- 一晩中ゲームをする
など、なんでもいいです。
自分が時間を忘れて楽しめるようなことを、たくさん見つけてください。
まとめ:仕事で適応障害になったらまず休む。自分のペースを大事にしよう
適応障害は、ストレス源から遠ざかることが大事なのです。
ですから、無理して仕事に行くのはやめて、まずは休みましょう。
適応障害になったということは、仕事のペースや環境が、今のあなたに合っていなかった可能性が高いです。
部署の異動などによって取り除けるストレス源なのであれば、上司や人事担当者に掛け合って、仕事が続けられる環境づくりをしていきます。
自分のペースで仕事ができる環境が整えば、安心して復帰できるでしょう。
それと同時に、また同じような状況にならないために、自分の心の訓練をしていくことも大切です。
少しずつ、ストレスに強い心を作っていきましょう。

一般社団法人 Mission Leaders Academy Japan 代表理事
堀内 博文
1990年、高知県生まれ。
若手起業家、または起業を目指す 20 代を中心に、ビジネスでの結果を約束する Result Business Producer として活躍していたが、『自分の命の使い道』を『人を目覚めさせ本来の在るべき真の姿に導くこと』と定め、現在は一般社団法人 Mission Leaders Academy Japan 代表理事としてさらに活動の場を大きくしている。