仕事でミスをしてしまった時や、顧客からクレームを受けた時など、「もしかして、この責任を取らされて仕事をクビになってしまうのではないか」と不安になることはありませんか?
終身雇用制度が崩れ、一生安泰という会社がなくなりつつあり、しかも終わりの見えない不況のせいで、いつクビになってもおかしくないと心配な人もいるでしょう。
そこで、仕事をクビになるのはどんな時なのか、詳しく解説します。
日本は労働者が法律で守られていますので、そう簡単にクビにはなりません。
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どうしよう…仕事をクビになるかもと心配な時
クビになったらどうしようと不安な方は、このようなことで心配をしていませんか?
結論からいいますと、会社はそんなに簡単に社員を解雇はできません。
仕事ができないから、仕事でミスをしたからというような理由での解雇は、不当解雇です。
仕事の成果が出ていない時
営業職など、結果が数字として現れやすい仕事の場合、同僚と比べられることも多いでしょう。
自分だけがいつも成果が出せていない、このままではクビになってしまうのではないか?と不安になる人も。
実際、ノルマが達成できなかったことで、上司に罵倒されたという経験をお持ちの方もいるのではないでしょうか?
「お前なんか、クビだ!」と言われると、不安でたまらないでしょう。
しかし、成果が出ていないからという理由だけで、社員をクビにすることはできません。
それは、社員の能力アップのために、会社側が何らかの対策をしなくてはならないからです。
これまでの判例を見ますと、会社側が一方的に「能力がない」と判断して解雇したケースは、ほとんど認められておりません。
会社がこれまでどのような対策を取ってきたのか、必要な指導はしたのか、なども考慮されるからです。
仕事に行きたくなくて無断欠勤してしまった
うっかり寝坊して、今から行っても間に合わないと思ったら、仕事に行く気がしなくなってしまった…。
思わず無断欠勤をしてしまった時、「もう、終わった」と思うのではないでしょうか?
確かに無断欠勤は、社会人として褒められたことではありません。
しかし、一度無断欠勤したくらいでは、クビにはならないので、安心してください。
上司に反論して喧嘩になった
仕事で上司と意見が対立して、思わぬ喧嘩になってしまった。
上司にたてつくなんて、クビだ…と心配になると思いますが、クビになることはありません。
思わずヒートアップして、言いすぎてしまったということは、よくあることです。
暴力を振るうとか、故意に相手を罵倒するというようなことでない限り、社内での喧嘩がクビの理由になることはないです。
ただし、その上司と良い関係を続けていけるかどうかは、また別の話です。
希望しない部署に異動させられるなど、報復と思えるようなことがないとは言い切れないので、クビにはならないまでも、信頼関係ができていない上司とむやみに喧嘩をすることは避けた方が良いでしょう。
長期療養が必要な病気になってしまった
病気になってしまった時、もうこの会社で働き続けることはできないのだろうかと不安になると思います。
確かに、病気で解雇されるケースはあります。
ただしそれは、
- 就業規則に明記されている場合
- 解雇予告の手続きがなされている場合
という条件があります。
病気になったからといって、いきなりクビになるのではありません。
また、就業規則にあったとしても、その病気が、業務が原因である場合には、療養期間中、その後30日は解雇することはできませんので安心してください。
会社が従業員をクビにできる理由
しかし、「そうか、簡単にクビにはできないんだな!」と安心しないでください。
どんな場合でも社員が守られるかというと、そんなことはないのです。
会社もそこまで甘くありません。
再三にわたって改善の機会を与えているのに改善されない
仕事ができないという理由ではクビにできませんが、
- 能力が活かせる部署に配置換えをした
- 必要に応じて研修を行なった
など、会社側が色々と対策を取っているにも関わらず、一向に改善が見られない場合には、クビが認められることがあります。
本当に、どうしようもなく仕事のできない人がいると思いますが、周囲も協力して仕事を教えたり、できる限り簡単な仕事を与えたり、やるだけのことをやってみたけれどどうしようもない人は、クビになる可能性があるので注意しましょう。
意図的に会社に損害を与えた場合
仕事のミスではクビになりませんが、故意に会社に損害を与えた場合には、解雇されることがあります。
例えば、意図的にこのようなことをしたときです。
- 重要な会社の情報を他社に渡す
- 嫌いな上司を陥れるために、大事な仕事のデータを削除する
- 上司が困るように、すでにできていた顧客へのプレゼン資料を破棄する
つまり、うっかり書類をなくしてしまったというような過失ではクビにできませんが、故意に破棄するなど悪意があった場合には、クビになるということです。
成果を出すことを約束して雇用された場合
能力がない、成果が出ていないという理由だけではクビにできないと先ほど説明しましたが、例外があります。
「こんなことができます」ということをアピールして、その能力を買われて雇用された場合です。
例えば、外資系の会社で、語学力を買われて、海外の会社と交渉する仕事に就いたのに、実際はたいして英語が喋れなかった、というような場合には、成果を出せていないという理由でクビになる可能性はあります。
採用後に経歴詐称が発覚した場合
例えば、「大卒」を雇用の条件としている会社を受けるときに、高卒なのに履歴書に「大卒」と書いていた場合。
これは立派な経歴詐称です。
応募の条件に「学歴不問」となっている場合には、学歴詐称でも解雇を認めないという判例もありますが、明確に記載してあったにも関わらず詐称した場合には、解雇の理由となります。
これは、過去の職歴等も同じことで、例えば自分の経歴を華やかなものにしたくて、実際には勤めたことのない会社の職歴を書いてしまうと、経歴詐称になります。
経歴を偽ったことによって、「本当の経歴を知っていたならば採用しなかった」というように、その経歴が採用を左右するほどの重要な案件であった場合には、解雇になる可能性があると覚えておいてください。
就業規則違反
就業規則は、会社と従業員の約束事です。
勤務時間から休みの取り方まで、いろいろなことが決められています。
雇用されるときに、就業規則を守りますという約束をしているのですから、守らなくてはなりません。
再三遅刻をして、周囲に迷惑をかけているとか、無断欠勤を繰り返しているというような場合は、いくら能力が高くても、クビになる可能性があります。
入社時に就業規則を隅から隅まで読んで覚えている人は少ないと思いますので、一度目を通しておくと良いでしょう。
仕事のミスくらいではクビにならないが努力は必要
今、クビになるかもしれないと不安になっている人は、仕事でミスをしたとか、仕事で成果が出ていないなど、具体的な心配事があると思います。
最初に説明した通り、そう簡単にクビになることはありませんが、だからといって今のままでいいということにはならないでしょう。
クビにはならないまでも、昇給や昇格は望めないという状態では、仕事のやりがいも感じられません。
- 同じミスは繰り返さないようにする
- 上司や同僚と良い関係を作っていく
- 自分に足りていないものは何かを考えてみる
など、自分なりに良い環境を作っていく努力は不可欠です。
まとめ:安心して!仕事でクビになるには相当な理由が必要
仕事で大きなミスをしてしまった時、ミスが理由でクビにならないだろうかと心配になると思いますが、よほどのことでない限り、そう簡単に会社は社員をクビにはできません。
仕事の成果が出ていないとか、能力不足という理由も、クビの理由にはなりませんので、安心してください。
故意に会社に損害を与えるとか、就業規則に違反しているようなことをするなど、よほどのことがない限り、雇用は守られています。
だからといって、仕事の成果が出なくてもいいかというとそうではないでしょう。
自分なりに改善できるところは改善していく努力が必要です。

一般社団法人 Mission Leaders Academy Japan 代表理事
堀内 博文
1990年、高知県生まれ。
若手起業家、または起業を目指す 20 代を中心に、ビジネスでの結果を約束する Result Business Producer として活躍していたが、『自分の命の使い道』を『人を目覚めさせ本来の在るべき真の姿に導くこと』と定め、現在は一般社団法人 Mission Leaders Academy Japan 代表理事としてさらに活動の場を大きくしている。