社会人になってから覚えなくてはいけないことがたくさんありますが、メール文の作り方やマナーは必ず押さえておいて欲しいところです。
しかし、最初に「仕事のメールはこのようにして作成します」と、手取り足取り教えてくれる会社はそれほどないでしょう。
そのせいで、毎回どんな文章を打ったらいいのだろう、メールのマナーでうっかり失礼なことをしていないだろうかと不安になっていませんか?
そこで今回は、今更聞けないメールの基本マナーについて、おさらいをしましょう。
Contents
仕事メールの書き方、基本の「き」
まず、社会人として最低限押さえておいてほしい、メールの基本についておさらいをしておきましょう。
いきなり本文は書かない!宛名と挨拶を忘れずに
仕事のメールは、友達にあてたものではありません。
いきなり本文から始めるのは失礼です。
人と会った時に、挨拶もなしにいきなり本題に入る人はいません。それと同じことです。
- 宛名
- 挨拶
これは絶対に忘れないようにしましょう。
社外の人には、「お世話になっております。」が一般的ですが、例えば数日前に打ち合わせをした、というような場合であれば、「先日はお忙しい中ありがとうございました。」というのもいいでしょう。
社内であれば、「お疲れ様です。」が無難です。
「ご苦労様です」は、目上の人には失礼なので、気をつけてください。
宛名の肩書きを正しく書こう
目上の人や、社外の人にメールを送るとき、肩書きはどうすればいいんだろう?と悩むことはありませんか?
例えば、自分の上司の田中一郎部長にメールを送るとき、「田中部長様」はおかしいです。
部長という肩書きがすでに敬語となり、二重敬語になってしまいますので「田中部長」が正しいです。
「様」を使いたいときは、「営業部長 田中一郎様」とすれば大丈夫です。
また、社外の人であれば、基本的にはフルネームで書くようにします。
いうまでもなく、漢字も間違えないようにしてください。
慣れないうちは、名刺を見ながら打ち込んだ方がいいでしょう。
敬語を正しく使うこと
敬語に自信のない社会人は結構多いものですが、メールは証拠が残ってしまいますので、間違った敬語を使っているととても恥ずかしいです。
特に気をつけたいのが、二重敬語です。
丁寧に言おうとするあまり、過剰でおかしな日本語になってしまいます。
- ご連絡させていただきました→ご連絡いたしました
- 郵便で送らせていただきます→郵便でお送りいたします。
- 明日、伺わせていただきます→明日、伺います
これはあっているかな?と不安になったら、ひと手間かけてでも、きちんと調べてから文を作成する習慣をつけましょう。
署名を入れる
最後に、署名を入れます。
- 自分の氏名
- 部署
- 電話番号(会社、携帯)
- メールアドレス
メールを送っているんだから名前も知っているし、そのまま返信できるのだから特に何も書かなくてもいいと思ってしまいがちですが、そうではありません。
メールを受け取った人が、「この点について直に確認したいから電話をかけたい」と思ったとき、署名がなければ電話番号がわかりません。
名刺を探すのも面倒です。
いちいち連絡先を確認しなくて済むように、署名を入れておくのが親切というものです。
うっかりやりがち!仕事メールのNGポイント
失礼のないようにと思いながら、気づかぬうちに失礼になってしまっていないか、やってはいけないことについても、確認しておきましょう。
緊急の用事をメールで送らない
メールは相手がいつ開封するかわかりませんし、そもそも届かない危険もあります。
急ぎの用事をメールで送らないようにしましょう。
緊急の時は、直接電話をするのがマナーです。
もしも上司に緊急の用事をメールで送って、タイミングよく見てもらえなかったら、後で確実に怒られます。
話し言葉と書き言葉を正しく使う
仕事のメールで、書き言葉と話し言葉がごちゃまぜになっていませんか?
例えば、御社と貴社の使い分けができているでしょうか。
- 御社→話し言葉
- 貴社→書き言葉
メールでは「貴社」を使うのが正しいです。
他にも、このような例に注意してください。
- お久しぶりです→ご無沙汰しております
- 私たち→私ども
- これからも→今後とも
- あとで→後ほど
- さっき→先ほど
- だんだん→徐々に
- もうすぐ→間も無く
話しているときはさほど失礼にならない言葉でも、メールとなると違います。
後々まで残りますから、恥ずかしい思いをしないように、常に「これは書き言葉か?」というのを意識してください。
間違えないように、言い換え表を作っておくと良いでしょう。
初対面なのに「お世話になっております」
仕事のメールで挨拶を忘れずに!というお話を最初にしましたが、社外なら全て「お世話になっております」でいいわけではありません。
まだ会って話したこともないない相手に「お世話になっております」はおかしいです。
そんなときは、
- 初めまして。
- 突然のメール、失礼いたします。
などにします。
メールでも対面でも、マナーは基本的に同じなのです。
ワンランク上の仕事メールを作成するポイント
仕事メールで一歩先を行きたい人は、正しいかどうかだけでなく、相手が読みやすいか、やり取りがしやすい内容になっているか、という点にもこだわってみてください。
見やすさにこだわる
メールは会社のパソコンで見るとは限らず、出先でスマホで見る人もいますので、見やすさにもこだわってください。
メールの文章は、切れ目なく長文にしてしまうと、とても見づらく、わかりづらいものです。
それではせっかくの内容も、相手に伝わらないかもしれません。
2〜3行ごとに改行を入れ、1行空白を入れておきます。
また、1行が長くなりすぎないように、20〜30文字くらいで読点を入れると見やすくなるでしょう。
また、要点が多いときは、文章ではなく箇条書きを利用した方がいいです。
一度、自分のスマホ宛に送ってみて、ぱっと見がどうか、印象を確かめてから送るようにしましょう。
声に出して読む
作成したメールは、一度声に出して読んでみることをおすすめします。
- 文章がダラダラしていないか
- 誤字、脱字がないか
黙読だけだとわからないことも、声に出して読んでみると、気づきやすいからです。
提案するときには最初からいくつか案を出す
例えば、会う日程を決めるとき、候補を1つしか出さないと、相手の都合が悪い時に何度もやり取りをしなくてはいけなくなってしまいます。
3月3日、13時はいかがでしょうか?
→生憎とその日は先約がございます。
こんな返事が来てしまうと、さらに次の日程を出して…と、お互い手間になりますので、先にいくつか案を出します。
- 3月3日 13時
- 3月4日 10時
- 3月6日 午前中のみ
- 3月8日 終日
恐れ入りますが、この日程でお時間の都合の良いところがございますでしょうか?
もし他の日程がよろしければ、お手数ですがいくつか教えていただくと助かります。
このようにして、相手が選びやすいようになるべく多く、提案をしておきます。
そうすると、やり取りの回数が少なくて済みます。
返信がいらないときには一言添える
連絡事項だけで、特に返事がいらない場合があると思います。
その時に、何もなしに普通にメールを送ってしまうと、相手は何かしら返信をしないといけないと思いますので、余計な気遣いをさせてしまいます。
返信がいらない時には、
- このメールへの返信は不要です。
- ご返信にはおよびません。
- ご返信はいただかなくても結構です。
など、返信しなくても大丈夫です、という意思表示の文章を最後に入れておきましょう。
まとめ
メールのマナーといっても、基本的には対面のマナーと同じです。
相手に対して、失礼な物言いをしないこと、相手を不快にさせないこと。
常にそれを意識しましょう。
メールだと相手の顔が見えないので、うっかり失礼なことをしてしまいがちですが、相手の顔を思い浮かべ、目の前にいるつもりで文章を作成すれば大丈夫です。
たかが仕事メールだと思わずに、相手との良い関係を築きたいという思いで、丁寧にメールを作成してください。

一般社団法人 Mission Leaders Academy Japan 代表理事
堀内 博文
1990年、高知県生まれ。
若手起業家、または起業を目指す 20 代を中心に、ビジネスでの結果を約束する Result Business Producer として活躍していたが、『自分の命の使い道』を『人を目覚めさせ本来の在るべき真の姿に導くこと』と定め、現在は一般社団法人 Mission Leaders Academy Japan 代表理事としてさらに活動の場を大きくしている。