人間関係リセット症候群と呼ばれる症状があるのをご存知ですか?
その名の通り、人間関係をリセットしたくなる感情に襲われるのが主な症状ですが、症候群とされるからには特異性やネガティブな原因があります。
特徴や原因を知り改善策を学びましょう。
Contents
人間関係リセット症候群とは?
人間関係リセット症候群は病気?
症候群などと病気を思わせるネーミングがつけられていますが、実は人間関係リセット症候群は医学的に認められた病気ではありません。
近年、ネットを中心に広がりを見せている一種のネットスラングのようなものです。
しかし、非公式なネーミングではないものの、症状に該当する人が増えている現状が見受けられます。
人間関係リセット症候群が増えている背景
人間関係を実際にリセットする人が増えている背景には、大きな原因として通信網の発展が挙げられます。
現代の日本ではスマホを中心に、様々なツールを使い幅広い人間関係を構築することができます。
一昔前なら、隣近所や親戚、仕事仲間などリアルな世界で繋がる限られた相手だけが人間関係をなすものでした。
しかし今では、スマホを1台持っているだけで、はるか過去に知り合った人も遠く海の向こうの人でも、数秒で連絡をやり取りすることができるのです。
これは、昔ならリセットしたくなくても離れ離れになっていた人間関係が、半永久的に繋がり続けることを意味していると言えるでしょう。
人間関係リセット症候群の具体的な症状
人間は一人で生きることができません。
どんな人でも必ず他社の存在によって生かされているわけですが、そこには必ず人間関係が生まれます。
時には厄な人間関係にストレスを抱え、「関係をリセットしたい!」などと、誰もが一度は考えるものでしょう。
これまでであれば、実際にはほとんどの人が“リセット”を行動には移しませんでした。
そんなことをしては周囲に不信感を抱かれますし、何より明日からの自分の生活を脅かすことになりかねません。
しかし、昨今では実際にリセットに踏み切ってしまう人が増えているのです。
具体的な症状には、以下のようなものが挙げられます。
・周囲からの電話やメールに返答がなく、音信不通になる
・フォワーを削除するなど、SNS上から姿を消す
・転職を頻繁に繰り返す
・引越しを頻繁に繰り返す
特に、手軽に行えるインターネット上のつながりを全て遮断することでの人間関係のリセットが増えている傾向にあります。
人間関係リセット症候群の原因は?
人間関係をリセットする原因は、多くの場合人間関係そのもののトラブルが起因しています。
代表的なものを確認してみましょう。
人付き合いが面倒になった
人間関係をリセットしたくなる大きな理由の1つが、人付き合いが面倒になるというもの。
具体的な理由があるケースもありますが、中には「なんとなく」という理由でバッサリこれまでの関係を整理する人がいたりもします。
どんな人間関係にも面倒臭さはつきものですが、リセットという対処法を覚えることで面倒臭さに向き合わない癖がついてしまう危険性があるでしょう。
評価されていないと感じる
特に、会社やスキルアップが必要な趣味などの仲間内で起こるのが、自分が周囲や評価者から正当に評価されていないと感じるケースです。
ビジネスの場であれば、転職という形で人間関係をリセットして新たな関係を構築することもあります。
転職しても以前の職場の人と交流がある人は多いですが、リセット症候群にかかっている人は例え連絡があったとしても、無視するもしくはそもそも連絡が取れない状態にしている点が特徴です。
嫌われていると感じる
実際に嫌われているか否かは別として、本人が「自分は嫌われている」と強く感じることで、人間関係のリセットに踏み切る場合もあります。
嫌われていると感じるには何らかの理由があるわけですが、その理由を解明する作業は、非常なストレスを心身に与えます。
ストレスを感じるくらいなら、ストレスの根源となる人間関係を全てゼロにしてしまうことで自分を守る方法です。
場合によっては、ストレスが起こす最悪の事態を避けるための懸命な手段でもあるため、人間関係のリセットが必ずしも悪いわけではないことを覚えておかなければいけません。
人付き合いが必要なくなった
これまでご紹介した3つの原因とは少し違った特徴を持つのが、こちらの理由。
そもそもこれまで構築してきた人間関係が自分にとって必要なくなったという場合に、リセットに踏み切るケースです。
一見、とてもシビアな考え方に見えます。
しかし、自分の環境を変えて新たなことに心機一転打ち込みたい時には、必要な手段でもあるのです。
「自分の志が起動に乗るまでは」と期限を決めて人間関係をリセットする人もいます。
そうした場合には、音信不通だった相手から急に連絡がきて驚くような場面もあります。
話を聞いていると「実は・・・」と大きく転身を遂げていることもあり、驚かされるという人もいるでしょう。
人間関係リセット症候群を改善するためには?
人間関係をリセットすることが必ずしも悪とは言えません。
なぜなら、人間関係に必要とする“濃さ”も、それぞれの価値観で決められるからです。
一方で、自分では良好な人間関係を築きたいにもかかわらず、常に衝動的なリセット欲に駆られてしまうという人は、自分の性格を中心に見直しが必要だと言えるでしょう。
ここでは後者のような人のために、人間関係リセット症候群を改善するためのポイントをご紹介します。
リセットしたくなったらその理由の深掘りをする
人間関係リセット症候群にかかっている人は、リセット欲に衝動的にかられることが多い傾向にあります。
相手の連絡先を消す前に、自分の連絡先を変更する前に、「どうしてリセットしたいのか?」と自分の心に向き合ってみましょう。
多くの場合、完璧主義や引っ込み思案などの自分の性格がベースとなって、その上のトラブルを抱えているはずです。
トラブルの理由も、相手に原因があるとばかり捉えがちですが、自分の中にも原因を探る必要があります。
様々な視点からトラブルを見つめ直し、リセットしない道をイメージしてみるのも方法です。
自分の気持ちに素直になる
「本当にリセットしたいのか?」と自分に問う必要があります。
衝動的にはその答えが「イエス」でも、素直になることを心がけて向け合えば、本当は望んでいないことも。
特別な理由がない限り、これまで培ってきた人間関係はなるべくなら良好に、そして大切に維持したいと感じるものです。
リセットしなくていいと自分が思える方法や解釈の仕方を、少し時間を置いて熟考してみましょう。
細々と長い人間関係をイメージする
人脈が広いと感じる人も、全ての人と毎日のように連絡を取っているわけではありません。
必要な時が来たら、どれだけ時間が空いていても気軽に連絡を交わす。
場合によっては気軽に会いに行く。
細くなったとしても一度築いた人間関係を長く続けるイメージを持てば、気長に他者と向き合うことができます。
人間関係はのんびり捉えるのがコツ
心身にストレスを与えることが多い人間関係。
本人の性格によっては、すごく疲れて支障をきたす場合もあるでしょう。
どうしても辛い時はリセットして逃げるのも方法ですが、「どうにかなるさ!」と気長に構えてみるのもおすすめです。
音信不通になるのではなく、細くて長い人との付き合い方に変えてみませんか?

一般社団法人 Mission Leaders Academy Japan 代表理事
堀内 博文
1990年、高知県生まれ。
若手起業家、または起業を目指す 20 代を中心に、ビジネスでの結果を約束する Result Business Producer として活躍していたが、『自分の命の使い道』を『人を目覚めさせ本来の在るべき真の姿に導くこと』と定め、現在は一般社団法人 Mission Leaders Academy Japan 代表理事としてさらに活動の場を大きくしている。