普段仕事をするとき、これは仕事か作業か、意識したことはありますか?
あまり意識したことがない、そもそも仕事と作業の違いがよくわからないという人も多いのではないでしょうか。
仕事の結果が思うように出ていないと感じることがあるなら、それは仕事が作業になってしまっているからかもしれません。
では、仕事と作業の違いは何か、どうすれば作業ではなく仕事をすることができるのか、ということについてお話しします。
今一度、自分の仕事のやり方を振り返り、有意義な仕事ができるようにしていきませんか?
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仕事と作業の違いとは
仕事と作業にはどのような違いがあるのでしょうか。
作業は自分一人でもできるものであり、仕事は相手がいてこそ成り立つものです。
また、仕事の難易度は様々で、経験がないとできないものも多くありますが、作業はマニュアルが完備されていれば誰でもできる内容のものが多いです。
仕事とは価値を生み出すこと
仕事とは、なんらかの価値を生み出し、それを受け取ってくれる誰かのためにすることです。
そして、「こうすればいい」という正しい答えもマニュアルもありません。
何が最善かはその時々の状況によって違いますし、自分自身で見つけていかないといけないものです。
そういう意味では非常に抽象的でわかりにくいのが仕事です。
やってみて、結果が出なければ問題点を洗い出し、改善を加えていく。
その繰り返しが仕事といってもいいでしょう。
改善を繰り返すことで価値を生み出していく、その過程そのものが仕事です。
ですから、上司に指示されたことだけをやっているうちはまだ仕事になっていないということがいえるでしょう。
作業とは誰がやっても同じ結果になること
作業とはやり方が決まっており、正解もあります。
どのようにすればいいのか、マニュアルを作ることもできます。
ですから、誰がやっても同じ結果にたどり着く、それが作業です。
・朝会社に来たらパソコンを立ち上げて今日のスケジュールを確認する
・メールを確認して急ぎのものは返信する、電話をかける
・業務報告書を作成する
極端な言い方をすると、アルバイトでもできる比較的簡単な業務は作業です。
逆に、考えて、判断が必要なものは仕事になるでしょう。
ルーチンワークは作業化した方が良い
例えばメールの返事を打ったり、日々の仕事の報告書を作成したりと、ある程度やり方が決まっている作業をルーチンワークといいます。
ルーチンワークは仕事だと勘違いしやすいのですが、決まりきった手順でできることですので作業に分類をし、やり方をきっちりと決めてしまった方が効率化できます。
・毎日必ずやっている日課的なこと
・手順が決まっていること
これらは手順を整理し、作業化することで時間を効率よく使えるようになります。
思わぬ時間を取られてしまうことも少なくなるでしょう。
作業の手順が決まっていれば短時間でこなすことができて、仕事に使える時間を増やすことにもつながります。
作業よりも仕事の方が重要なのは利益を生み出すから
作業は仕事につきものですから、作業も仕事をする上では必要な要素です。
しかし、作業には再現性があり、マニュアルがあればあなた以外の人にもできることです。
では仕事はどうでしょう。
企画立案や創意工夫といった仕事は、それを行う人によって答えが違い、全く同じ結果が出るものではありません。
つまり、あなたの仕事はあなたにしかできないのです。
会社は何のために人を雇っているか、それはいい仕事をしてもらい、新しいサービスや商品を生み出して利益を上げるためです。
利益=仕事の結果です。
作業では利益が上がりません。仕事をして初めて利益が上がるのです。
そしてその仕事は、一人一人やり方が違い、出てくる答えも違うものです。
会社で作業よりも仕事が重要なのは、それがあなたにしかできないものであり、利益を生み出すために必要不可欠だからです。
作業を仕事にして価値を生み出すためには?
今与えられている担当が仕事ではなくて作業が多い。やりがいがない。
そんな風に感じているとしたら、作業のやり方を見直してみませんか?
作業は無駄なことではなく必要なことです。作業なしには仕事はできません。
しかし作業を少しずつ減らして仕事の割合を増やしていくことも大切なので、どうすれば価値ある仕事をしていけるようになるかを考えてみましょう。
作業を卒業して仕事に移行する準備を
経験が少ないうちはどうしても作業が多くなりますが、それは仕方のないことです。
あなたが作業をきっちりとこなすことによって、先輩や上司がいい仕事ができるようになるのです。
今は上の人たちをよく観察して吸収する時期です。
そのうち作業を卒業して仕事の割合を増やしていけるように、先輩や上司がどのようにして仕事をしているのかよく見てください。
準備をしておかないと、いざ新しい仕事を振られた時に対応できません。
いつ仕事に移行してもいいように作業を完璧にこなしつつ、仕事のやり方を見て勉強しながら「卒業」の時を待つのです。
作業と仕事を明確にする
今やっているのは作業なのか仕事なのか、その線引きを明確にしてみましょう。
人は面倒なものから逃げる傾向があります。
やりがいのある仕事をこなしたいと思う反面、企画立案など責任の重い仕事は後回しにして業務報告書などに手をつけてしまうのです。
まず、自分がやらなくてはいけないことのうち、どれが作業に当たるのかを考え、1日の仕事時間を作業と仕事に割り振ってみてください。
仕事のために必要な作業を先に片付けてしまい、あとは余裕を持って仕事をできるようなスケジュールを立てるのです。
常に「これは作業、早く終わらせて仕事をする」という意識を持って取り組んでいると、だらだらと作業ばかりして仕事の時間がなくなるということが避けられます。
作業は捉え方次第で「仕事」になる
そうはいっても、担当の割り当てによっては作業が多い人もいると思います。
作業が多いからといって無駄なことをしていると思ってはいけません。
言われたことだけをやっていたら作業ですが、やり方次第、自分の意味づけ次第で立派な仕事になるからです。
コピーをしたり、会議のための資料作りなど、誰がやっても同じではないかと思える作業であっても、自分なりの工夫をして、受け取る人が付加価値を感じるような作業にするのです。
例えば「今日の会議の議事録まとめておいて」と言われたとします。
会議中の発言をそのまま書いてまとめれば作業です。
しかし、他の人に真似できないような、上司が「これは見やすい!」と唸るような議事録を作れたらどうでしょう。
・行間、余白など見やすく整える
・議題、会議の要旨、結論と流れがわかりやすくまとめてある
・誰が何を言ったのかがわかりやすく書かれてある
ただメモをまとめるだけなのと「この議事録は何のために書くのか」を意識して作ったものとではやはり見やすさが違うのです。
同じ作業であっても自分なりに質の高い作業をすることで、それを仕事に昇華させることができるということです。
まとめ:仕事と作業の違いを理解し今こそ結果を出そう
今までやってきたことは仕事なのか作業なのか、その意識を持って日々の仕事に取り組むだけでも、仕事のやり方が変わってくるでしょう。
作業も仕事も会社にとって必要なものですが、作業はルーチン化して効率的にこなし、仕事に充てる時間を増やしていきたいものです。
いい結果に結びつくような仕事ができれば、やりがいも感じられますし、ますます仕事が楽しくなるでしょう。
一般社団法人 Mission Leaders Academy Japan 代表理事
堀内 博文
1990年、高知県生まれ。
若手起業家、または起業を目指す 20 代を中心に、ビジネスでの結果を約束する Result Business Producer として活躍していたが、『自分の命の使い道』を『人を目覚めさせ本来の在るべき真の姿に導くこと』と定め、現在は一般社団法人 Mission Leaders Academy Japan 代表理事としてさらに活動の場を大きくしている。