やる気がないわけではないのに、仕事中に強い眠気に襲われて、つい居眠りをしそうになったという経験は、誰しも一度はあるのではないでしょうか?
あまりに眠すぎて、急に意識が飛ぶというような症状が出ているとしたら、少し心配です。
それほどまでに強い眠気に襲われるのは、単なる睡眠不足なのか、それとも他の要因があるのか、場合によっては病院の受診も必要です。
眠気の理由によって、対処法が違ってきますので、まずは自分の眠気の正体を見極めることが大切です。
Contents
仕事中に意識が飛ぶほどの眠気の原因は?
睡眠時間はきちんと取れているのか、それとも足りないのか、そこから眠気の原因を考えてみましょう。
睡眠不足が続いている
どんなに体力のある人でも、睡眠不足には勝てません。
必要な睡眠時間には個人差がありますが、朝起きた時に「よく眠れた」と感じないのであれば、それはあなたにとっての睡眠不足。
睡眠時間が足りていないということになるでしょう。
1日、2日程度の睡眠不足なら、週末ゆっくりすることで疲れを解消できますが、睡眠不足の状態が続いているのは良くありません。
脳の休養が足りていないので、仕事中に強い眠気に襲われてしまうのです。
生活のリズムが乱れて睡眠の質が低下している
寝ている時間は問題がなくても、その睡眠の内容が良くないのかもしれません。
睡眠には質があります。
同じ7時間睡眠をとったとしても、早寝早起きするのと、夜中も遅くなってから寝るのとでは、睡眠のリズムが乱れて、質に違いが出ます。
最初に深い眠り(ノンレム睡眠)から入り、浅い眠り(レム睡眠)を交互に繰り返し、朝を迎える。
このリズムがうまく整っていないと、
- なんだか眠った気がしない
- 朝、疲れが取れていない
ということになるのです。
また、夜中に目が覚めてしまう場合も、熟睡ができていないということなので、疲れが取れません。
過眠症かも
夜はしっかり眠っている、夜中に目を覚ますこともない。
それなのに、日中、強い眠気に襲われるという場合は、「過眠症」という状態かもしれません。
過眠症という病気があるわけではなく、十分睡眠をとっているにも関わらず、昼間ものすごく眠くなるという状態を総称して、過眠症と呼びます。
過眠症の原因としては、
- ナルコレプシー
- 睡眠時無呼吸症候群
- 突発性過眠症
- 反復性過眠症
などがあります。
過眠症かも?と思ったら睡眠障害専門の医師に相談しよう!
過眠症の原因となる症状にはいくつかありますので、もしこれらのことに思い当たるならば、病院を受診した方が良いでしょう。
ナルコレプシー
ナルコレプシーは、夜眠っていても日中に強い眠気に襲われる症状です。
この眠気は、突然やってくるため、本人は全く意識していないのに突然眠ってしまいます。
- 人と食事をしている時
- 重要な取引先との商談中
- 車の運転中
など、通常なら寝ることなど考えられない場面でも眠気がやってきて、突然眠ってしまいます。
眠る時間は10〜20分くらいで、目が覚めると頭はスッキリしているというのが特徴です。
日本での有病率は世界でも高く、600人に1人ほどの割合で患者さんがいますので、決して珍しくはありません。
男女差はなく、10代〜20代の発症率が高くなっています。
ナルコレプシーには、いくつかタイプがあります。
- 睡眠発作:日中、急に眠ってしまう。
- 情動脱力発作:大笑い、びっくりなどの刺激をきっかけとして、膝などの関節、または全身の筋肉に力が入らなくなる。
- 睡眠麻痺:金縛りの状態になる(主に入眠時)。
- 入院時幻覚:寝つく時に、現実と間違えるほどの鮮明な夢を見る。
- 自動症:眠ったままの状態で、普段の行動を続ける。
もしこのような状態が現れているなら、ナルコレプシーの可能性があります。
睡眠時無呼吸症候群(SAS)
睡眠中に10秒以上呼吸が止まる症状が、1時間に5回以上起こると睡眠時無呼吸症候群と診断されます。
無呼吸といびきを繰り返すので、家族から「いびきがひどい」と指摘されているなら、睡眠時無呼吸症候群の可能性があります。
自分では気づくことができないので、一人暮らしをしているとわかりにくいですが、自宅での簡易検査で見つけることができます。
睡眠時無呼吸症候群が疑われる場合は、病院に一泊してしっかり検査することもできますので、心配な人は早めに受診しましょう。
突発性過眠症
毎日のように居眠りするほどの眠気に襲われます。
ナルコレプシーと違うのは、日中の居眠りが数時間続くこともあり、目が覚めても眠い状態が続くという点です。
反復性過眠症
強い眠気が数日続いたかと思うと、何もない状態がまた数日続く。
このような状態を繰り返すのが反復性過眠症です。
有病率は高くなく、比較的男性に多いといわれています。
むずむず脚症候群
レストレスレッグス症候群といい、横になった時、眠ろうとした時などにムズムズと虫が這うような、何かでなぞられているような、不快な感覚に襲われる症状です。
原因はまだ明らかになっていないのですが、夜ぐっすり眠れないことで、日中強い眠気に襲われてしまいます。
生活習慣の改善を行うとともに、適切な薬物治療によって症状の改善が見込めます。
仕事中、眠気に襲われないように今日から自分でできること
病気でなければ、仕事中の眠気は生活のリズムを整えることで改善できることがあります。
すぐにでもできる方法を、いくつかご紹介しますので、ぜひ試してみてください。
朝日を浴びて朝食をとる
昼間眠くなるのは、夜しっかり眠れていないからかもしれません。
寝ているつもりでも、眠りが浅くなっているなら、睡眠と覚醒のリズムを整えていくことが大切です。
体内時計が乱れていることが、浅い眠りの原因になることもあるので、朝起きたらまずはカーテンを開けて、しっかり朝日を浴びます。
それから、朝食をしっかり摂ること。
この2つで体が覚醒し、元気に1日を過ごせるはずです。
夕方以降はカフェインをとらない
コーヒーやエナジードリンクに含まれる、カフェイン。
仕事中に眠気がやってきた時、やたらとがぶ飲みしていませんか?
カフェインの持続時間は、4時間ほどだといわれています。
夕方以降に飲んでしまうと、夜はまだカフェインの覚醒作用が続いていて、眠れないという状態になっているのかもしれません。
残業中に、元気を出そうとしてエナジードリンクを飲む、ということは控えた方が良さそうです。
寝る時間にもよりますが、夕方以降は、カフェインの入ったものは飲まないようにしてみてください。
寝酒はしない
世界の10カ国、約3万5千人を対象とした「眠れない時にどうするか」という調査(「SLEEP( SLEep Epidemiological)Survey」のデータ)によると、寝酒の割合は10カ国平均で19.4%、それに対して日本人は30%と高く、医師や睡眠薬は使わず、酒に頼るという傾向が見られます。
しかし、寝酒は眠ってから数時間後に目がさめる、その後も浅い眠りがずっと続くなど、睡眠の質を低下させることが、実験によってわかっています。
なぜか寝酒をすると眠れると思っている人は多いのですが、逆なのです。
もし、眠れないから寝酒に頼っているという人は、今すぐにやめましょう。
生活習慣を改善しても眠れないという時には、医師に相談した方が、適切な薬を処方をしてくれます。
寝る前のタバコはやめる
タバコのニコチンは、アルコールと同じくリラックス作用もあるのですが、覚醒作用もあるのです。
今日も1日頑張った、と寝る前に一服していませんか?
そのタバコが、睡眠の質を下げている可能性があります。
タバコは美容にも良くありませんし、良い睡眠のためにも、この機会に禁煙をしてみましょう。
まとめ:仕事中に意識が飛ぶほどの眠気は病院を受診してみよう
仕事中に眠くなることは誰でもあることですが、意識が飛ぶほどの眠気というのは、そうそう多くはありません。
何が原因なのかをはっきりさせるためにも、まずは病院を受診してみましょう。
数は多くないですが、睡眠外来を置いている病院もあります。
もし眠気の原因が生活習慣であるとわかれば、自分で対処することもできます。
生活のリズムを整えたり、寝酒をやめたり、不眠の元となっていることを探し出し、改善していきましょう。
一般社団法人 Mission Leaders Academy Japan 代表理事
堀内 博文
1990年、高知県生まれ。
若手起業家、または起業を目指す 20 代を中心に、ビジネスでの結果を約束する Result Business Producer として活躍していたが、『自分の命の使い道』を『人を目覚めさせ本来の在るべき真の姿に導くこと』と定め、現在は一般社団法人 Mission Leaders Academy Japan 代表理事としてさらに活動の場を大きくしている。