人間関係の悩み

大人のADHDが陥りやすい人間関係のトラブルとは?対処法はある?

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ADHDという病名を聞いたことはありますか?

幼少期に診断される人がいる一方で、大人になってからADHDであるとわかりそれまでの人間関係のトラブルに“答え”を見出せたという人も。

今回は、ADHDの特徴や人間関係の作り方についてご紹介します。

ADHDとは?

ADHDとは?

ADHD(Attention-Deficit Hyperactivity Disorderの略、日本語訳は「注意欠如・多動症」あるいは「注意欠如・多動性障害」、「注意欠陥・多動性障害」など)は、「忘れ物が多い」、「課題が間にあわない」、「うっかりミスが多い」などの「不注意」症状と、「じっとしていられない」、「落ち着かない」、「待つのが苦手」などの「多動性・衝動性」症状がみられる神経発達症(「発達障害」とほぼ同じ意味で使われる言葉)の一つと考えられています。
引用元:https://www.jspn.or.jp/modules/forpublic/index.php?content_id=39

近年の研究が明らかにした比較的新しい病気としても知られ、子どもでは20人に一人程度に症状が見られると言われています。

大人になっても傾向自体に変化は見られませんが、多動性などの症状の一部が目立たなくなることが多いです。

人によっては、ほとんどの症状が落ち着き診断の枠に入らなくなることもあります

過去の調査結果では男性の方が圧倒的に多いとされていましたが、昨今の傾向では、男女の発症比率が同程度に近づいていることがわかっています。

具体的な症状は?

<子供の場合>

〜不注意〜
・うっかりミスが多い
・授業中に気が散ったり居眠りすることが多い
・宿題や長期休暇の課題が間に合わない
・自宅や学校の机の中が散らかっている
・なくし物や落し物が多い
・遅刻が多い
・大人から言われたことを忘れる

いずれの不注意も子供であれば誰しもが経験することですが、ADHDの子供は圧倒的にその量が多いとされています。

小学生を対象にで行われたある調査では、クラスで忘れ物が多い子供のランキングをつけたところ、ワースト1位となったADHDの症状を持つ子供は月に30を超える忘れ物をしているのに対し、2位だった子供は3個程度圧倒的な開きがあったことが報告されています。

〜多動性・衝動性〜
・授業中に席を立つ
・唐突に走り回ったり何かに登ったりを繰り返す
・他の子供から「静かにして」と言われるほど騒ぐ
・順番を待つのが苦手
・他の子供の邪魔をする

<大人の場合>

〜不注意〜
・不注意なミスが多い
・集中し続けるのが困難
・会議中によく寝てしまう
・計画を立てるのが苦手
・整理整頓ができない
・約束が守れない
・なくし物や忘れ物が多い

〜多動性・衝動性〜
・落ち着かずいつも体を動かしている
・「おしゃべり」「声が大きい」と言われる
・順番を待つのが苦手
・考えずに発言することが目立つ

<体験談>ADHDの大人の人間関係トラブルとは?

32歳不動産営業マンの男性

「現在32歳で、不動産営業マンとして働いています。

僕は大学生のときにADHD(注意欠如・多動症)の診断を受けた発達障害者です。

僕の社会人生活は、ピカピカのホワイト企業から始まりました。

就職活動で、何を間違ったか大変立派な金融機関に入り込むことに成功したのです。

しかし当然のごとく仕事はうまくいかず、人間関係も壊滅。

2年ともたず職場を敗走することになりました

その後、よくわからない力を発揮して数千万円の出資金をかき集めて起業。

一時は社員2桁あたりまで会社を成長させるも、昇った角度で落下。

30歳の節目をすかんぴんの無職として迎えることとなりました。」
引用元:https://toyokeizai.net/articles/-/223457

36歳データアナリストの男性

「大手外資系メーカーに勤務するデータアナリストの岩本友規さん(36歳)は、社会人10年目で大人の発達障害と診断された

発達障害には、ADHD(注意欠陥多動性障害)、アスペルガー症候群自閉症LD(学習障害)、自閉症などがあるが、岩本さんの場合は、ADHDとアスペルガー症候群を併発

アスペルガー症候群には意外と多いケースだという。

発達障害の人は、一般の人が簡単にできる業務がうまくできず、自信をなくして心身症やうつ病になってしまうケースが多い

岩本さんの場合もそうだ。

前職では向いていない仕事に苦しみ続け、うつ病で一年間休職した。」
引用元:https://next.rikunabi.com/journal/20151104/

会社員20代女性

「いろいろな人から仕事のことを言われても、それがアドバイスなのか指示なのかわからなくて固まっていると、「どうしてやらないの?」と言われてしまうことがよくありました。

先生の指示どおりにできれば評価がついてきた学校とは、そこが大きく違っていました。

職場の環境にもなじめませんでした。

みんなが仕事をしている中で電話を取ると、聞かれていると思ってうまく対応できなくなったり。

自分で計画を立てて仕事を進めていくのも大変でした。

時間の使い方が下手で、上司からよく「時間もお金だから」と注意されました。

何か一つの仕事をしている間に割り込みがあると、とっさに「やります」と言ってしまうのですが、それが小さな仕事でも、億劫でしかたなくて、サッとはできないんです。

他にも、鍋を火にかけながら別のことをしていて吹きこぼす、タイムカードを押し忘れるといった注意欠陥に起因するトラブルもありました。

忘れ物も多く、自分なりの解決法として何でも全部持つことにしたら、荷物が大きくなって周りから迷惑がられたり……。」

ADHDの大人が人間関係を良好に築くために

人間関係のトラブルの理由を探る

全く人間関係にトラブルを抱えないという人は存在しませんが、もしその頻度が多いと感じていれば、その理由を分析する必要があるでしょう

自分では防げない不注意や持って生まれた性格が起因していると感じる場合は、ADHDを疑う必要があります

専門機関が配信するWEBサイトや発行物で簡易的な診断を試してみることもできます。

気になる症状があればすぐに専門機関を受診する

性格なのか病気なのかの診断が難しいADHD

うまくいかないことや気になる症状があっても「性格だから」と片付けている人がまだまだ数多く存在します。

病気だとわかるのが怖い気持ちもありますが、診断を受け治療している人の多くが「これまでのトラブルを理解することができた」と感じているのも事実。

人気の病院では診断の予約待ちで数ヶ月かかることも珍しくありません

気になることがあれば、専門機関の予約を取ることから始めてみましょう。

服薬という選択肢も

あくまでも専門医の指導に従って判断することですが、症状の度合いや内容によっては服薬により状態を落ち着かせることも可能です。

治療を受けた人の中には、仕事に支障をきたしていた症状が落ち着いたケースもあり、改善が見込めることもあります。

自分を理解し周囲へも理解を仰ぐ

ADHDの人は全人口の5%もいるとされています。

職場やプライベートの関係でもADHDの症状を抱える人が必ずいるはずです。

もしADHDだと診断されたら、まずは自分を理解することを始めましょう

同じような悩みを抱えている人のブログや文献を読んだりして解決法を学ぶことで、これまでのトラブルを解消することもできます。

また周囲へ理解を仰げば不要なトラブルやストレスを事前に避けることができるでしょう。

ADHDとわかったことで仕事内容や働き方を最適化し、大活躍している人も珍しくありません

“人と違う”のは、みんな同じ


自分がADHDだとわかり、“人と違う”と理解できたことで余裕ができたという人もいるでしょう。

しかし、人と違うのはADHDの人に限ったことではありません。

現に、昔は性格だと捉えられていましたし、大人になると診断がつかないレベルになる人も大勢います

ADHDである自分を、誰でもない自分自身が大切にしたいものです。

この記事の監修

一般社団法人 Mission Leaders Academy Japan 代表理事
堀内 博文

1990年、高知県生まれ。
若手起業家、または起業を目指す 20 代を中心に、ビジネスでの結果を約束する Result Business Producer として活躍していたが、『自分の命の使い道』を『人を目覚めさせ本来の在るべき真の姿に導くこと』と定め、現在は一般社団法人 Mission Leaders Academy Japan 代表理事としてさらに活動の場を大きくしている。

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