新型コロナウイルスの蔓延によって、2020年4月7日に緊急事態宣言が出されました。
これにより、仕事に影響が出た人も多いと思います。
緊急事態宣言は5月25日に解除されましたが、再び新型コロナウイルスの感染が広がれば、改めて宣言が出される可能性があります。
新しい生活様式が提唱され、しばらくはコロナウイルスとの共存生活を強いられそうですが、緊急事態宣言によって私たちの仕事はどう変わったのでしょうか?
また、これからの働き方はどうなっていくのか、緊急事態宣言と仕事の関係について考えてみたいと思います。
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緊急事態宣言の仕事への影響。今までと何が違う?
新型コロナウイルス対策の一環として発令された緊急事態宣言ですが、諸外国のような、いわゆる「ロックダウン」とは違います。
外出禁止令というような厳しい措置ではなく、「不要不急の外出を控えてください」という、要請にとどまっています。
あくまでも要請であり、罰則もありませんが、国民には国の対策に協力する義務が生じます。
国が地域を指定して緊急事態宣言を発令すると、指定された地域の知事はその区域に対して、外出の自粛以外にも次のようなことができるようになります。
- 学校の使用制限
- イベントの中止要請、指示
- 医療施設として利用するために建物等を強制的に使用する
- 医薬品等の売渡指示
今までと変わること
今回の緊急事態宣言によって、なるべく外出をしないようにと要請されているので、テレワークが可能なのであれば、出社せずに自宅等で仕事をすることが求められます。
会社に出勤しなくてもできる仕事であり、なおかつ、IT環境が整っていれば、テレワークに切り替わるということです。
接客業など、テレワークができない職種の場合には、お店が開かないことには仕事ができないので、お店が休業となってしまえば休むしかありません。
また、子供を持つ人の生活も変わります。
保育園も基本的に休業に近い状態ですので、医療関係など出勤しなければならない人以外は、子供を預けにくい状況です。
そのような場合は、仕事を休まざるを得ないでしょう。
宣言後も変わらないこと
スーパーマーケットなど生活必需品を売るお店は、宣言後も通常営業が可能です。
また、電車やバスなどの公共交通機関についても、通常通りの運行が確保されています。
ただ、新幹線などは、運行はしていますが、都道府県をまたぐ移動はなるべく控えるという観点から、これまでのような本数ではなく、間引き運転となっています。
他にも、
- 運送業
- インターネット業者
- ドラッグストア・ホームセンター
など、国民の生活に必要とされる仕事はこれまで通りですが、店舗によっては営業時間の短縮などの措置が取られています。
つまり、ライフラインに関わるような仕事は、これまで通りの出勤が必要となります。
飲食店などその他のお店でも、完全に営業しなくなったわけではないので、営業時間を短縮しながらの営業であれば、そこで働く人は出勤する必要が生じます。
緊急事態宣言によってわかった、仕事の無駄
緊急事態宣言が出されて以降、テレワークに切り替わった人も多いと思います。
そこで、会社に出勤しなくても仕事ってできるんだ、ということがわかると同時に、やらなくてもいいことをやっていたなということがわかった人は多いのではないでしょうか?
通勤時間のもったいなさ
片道1時間かかるとして、往復で2時間。
5日勤務なら、週に10時間も通勤で使うことになりますが、テレワークによって自宅で仕事ができれば、その10時間が他のことに使えます。
この時間が、1ヶ月、1年と積み重なるとすごいです。
通勤に、こんなに無駄な時間を使っていたのかと気づいた人は多いでしょう。
今までやっていた仕事の無駄が見えてきた
これまで習慣になっていたからと、何の疑問もなくやっていた仕事がたくさんあると思うのですが、テレワークとなるとできないこともたくさん出てきます。
その中で、大した実りもないのに定例的に集まっていた会議など、無くなっても困らないじゃないかと思う仕事はありませんでしたか?
- これらの資料、紙で保管しておく必要なかったのでは?
- いちいち会議室に集まらなくても、メールで済む話だったのでは?
- 決裁書を持って歩き回らずに、決裁者が一堂にZoomで集まればいいんじゃない?
など、緊急事態宣言を機に、見直しできるものがわかってきたのではないかと思います。
仕事は効率化が大事、無駄を省くことが大事なことは、頭ではわかっていても、習慣とは恐ろしいものです。
上の人から「こうやってやるんだ」と教わったことを、そのまま踏襲していたことがたくさんあるでしょう。
みんなが集まれなくなったからこそ、必要でないことがわかったというのは、緊急事態宣言のおかげだといえます。
仕事をしていない人があからさまにわかってしまう
普段なら、会社に行くこと自体が仕事になっている人がいました。
1日何をやったかはよくわからないけれど、とりあえず出勤していることでよかった。
しかし、テレワークになると「成果物」が求められます。
例えば、ネット上でも話題になっていた、オンライン会議。
これまでの会議なら、会議室いるだけでも参加していることなりました。
しかし、Zoomなどを使ったオンライン会議では、発言しない人が目立ち、「この人、会議に呼ぶ必要ある?」と思われてしまう人が続出しました。
仕事のやり方が変わったことで、くしくも仕事をしていなかった人があぶり出されてしまったようです。
緊急事態宣言は、自分の仕事のやり方を見直すいい機会
みんなで集まって、ワイワイ会議をするのが好きな会社は多いものですが、緊急事態宣言のおかげでそれもできなくなりました。
テレワークは、自分で考えて行動できる人に向いている働き方なので、指示待ち状態の人は少し厳しい状況かもしれません。
しかし、それも成長するいい機会です。
在宅だからこそ必要とされる仕事力
テレワークを実践してみて、なんだ会社に行かなくても仕事なんてできるじゃないか、と思った人もいると思います。
通勤しないだけで生活に余裕ができるし、うるさいことを言ってくる上司もいなくて快適だ!と、もう出社するのも面倒だと思った人は、テレワークがあっているということでしょう。
テレワークは、ある程度のことが自分で判断できて、成果物を出せる人に向いている働き方です。
自分一人でも生産的な仕事ができるということなので、今後もテレワーク中心に仕事をした方が良さそうですね。
必要に応じて出社するというスタイルで、仕事もプライベートも充実させられるのではないでしょうか?
能力不足を痛感した人は成長するいい機会
仕事がテレワークになったことによって、
- 仕事の時間を管理するのが難しい
- オンとオフを使い分けるのが難しい
- 見ている人がいないとついサボってしまう
- 近くに相談する人がいないと成果物が出来にくい
など、自分の仕事のやり方で、見直すべきところがたくさん出てきた人もいると思います。
何よりも、チームでまとまって仕事ができないという状況で、自分一人では仕事ができなかったんだなと落ち込んでいる人もいるかもしれません。
でも、それもプラスに捉えてみませんか?
緊急事態宣言のおかげで、自分にはまだ伸び代があることがわかったと捉え、テレワークでも着々と成果を上げている人を見習って、仕事のやり方を見直してみるいい機会です。
緊急事態宣言が出ても働き方を変えない会社
中小企業では、確かに急なオンラインでの仕事への対応は難しいところがあったかもしれません。
しかし、それでもなんとか在宅勤務にできないかと知恵を絞る会社がある一方で、全く働き方を変えない会社もあったようです。
しかも、正社員には在宅勤務を認めておきながら、契約社員や派遣社員には認めないという会社も。
雇用体系によって対応が違うのは、正しいのでしょうか?
政府からの援助が乏しいという問題もあるので、企業を一方的に責めることはできないでしょうが、このような非常事態になっても、働き方を変えようと協議もしない会社は、これから生き残れるのか不安です。
もしあなたの勤め先が何もしようとしないなら、今のうちに転職を視野に活動しておいた方が良いかもしれません。
まとめ:緊急事態宣言は仕事のやり方を考えるいいきっかけになった
2020年のお正月に、数ヶ月後にまさかこんな状況になるなんて想像できた人はいなかったでしょう。
人生何が起こるかわからないものです。
緊急事態宣言によって、仕事が不便になったと感じる人もいれば、出勤しないことで楽になったと感じる人も様々ですが、もうコロナ以前には戻れないとも言われています。
これからどう変化していくべきなのか、会社全体で考える良い機会です。
一般社団法人 Mission Leaders Academy Japan 代表理事
堀内 博文
1990年、高知県生まれ。
若手起業家、または起業を目指す 20 代を中心に、ビジネスでの結果を約束する Result Business Producer として活躍していたが、『自分の命の使い道』を『人を目覚めさせ本来の在るべき真の姿に導くこと』と定め、現在は一般社団法人 Mission Leaders Academy Japan 代表理事としてさらに活動の場を大きくしている。