国家資格である看護師の仕事内容は、非常に幅が広く、病院以外の場所でも活躍できる仕事です。
また、同じ病院の中でも、規模によって、また、診療科によっても仕事内容は違います。
そこで今回は、看護師を目指す方へ、看護師はどのような場所で活躍できるのか、その仕事のやりがいなどについて詳しくご紹介します。
どのような働き方ができるのかな?と思っている方は、ぜひ参考にしてください。
Contents
看護師の仕事内容:医師の診療の補助
医師が患者を診察する際にサポートをするのが、看護師の主な仕事です。
仕事の内容としては、以下のようなものがあります。
採血や注射
検査のための採血や静脈注射などを行います。
注射には上手い下手があるので、血管が探せない、上手く刺せない、など苦手意識をお持ちの人も多いと思います。
こればかりは練習を繰り返すしかありませんが、注射が得意な先輩などにやり方を教わって、上達するよう頑張りましょう。
点滴
点滴は、入院患者だけでなく、外来患者にも行います。
内容の間違いが起こりやすい仕事ですので、細心の注意が必要な業務です。
手術の補助
外科に配属されると、手術のサポートも行います。
医師がスムーズに手術を進められるよう、器材の準備から手術中の介助、また、手術の経過を記録するなど、手術の補助業務は多岐にわたる大変な仕事です。
カルテの記入
カルテは患者さんの記録ですから、病気の経過を示すだけでなく、治療にあたる全てのスタッフが情報を共有するための大切なツールです。
患者さん自身の主観的な症状だけでなく、医師から見た客観的な診断、そして、今後の治療計画などを詳しく書き込んでいきます。
看護師の仕事内容:患者さんの日々のケア
医師の診察や治療のサポートをする以外にも、患者さんの身の回りのお世話をするのも、看護師の大切な仕事の一つです。
血圧の測定など
入院していると、検温、血圧測定などで看護師さんが朝一で来てくれると思います。
健康状態に問題はないかな?と脈をとったり、呼吸の様子を見たりして、異常があれば早めに察知するのも看護師の仕事です。
食事等の介助
病気や怪我の状態によっては、自分で食事をすることもままならない場合があるでしょう。
そのほか、
- 排泄
- 入浴
などの手伝いが必要なこともあります。
大きな病院ですと、介助を専門にするスタッフがいることもありますが、多くは看護師がやっています。
食事は誤嚥(ごえん)の心配がありますし、入浴は急な血圧上昇などもあり、ただお世話をするだけではない、神経を使う仕事です。
床ずれ防止
長く入院していると、自分で体を動かすことのできない人は、床ずれができてしまいます。
床ずれができると痛いだけでなく、皮膚から感染症を引き起こすこともありますので、防がなくてはいけないものです。
そのため、適宜体を動かしたり、体位を変えたりして、床ずれができないように注意を払います。
患者さんの移動
検査のために別室に移動したり、病室を移る時など、患者さんを移送する作業も、基本的には看護師が行います。
自分で歩けない人は、車椅子に乗せて運ぶことも。
患者さんが安心して、安全に移動できるようにサポートします。
看護師が働ける場所はこんなにある!
看護師というと、すぐに頭に浮かぶのは病院でしょう。
しかし、病院をはじめとして、看護師として働けるところはこんなにあるのです。
総合病院の看護師
総合病院には様々な診療科がありますので、配属された科によって仕事内容は全く違ってきます。
まずは、外来か入院病棟かの違いがあります。
外来だけですと基本的には日中の仕事になりますが、入院病棟は24時間仕事があります。
したがって、夜勤もあります。
診療科による違いは、例えば内科であれば医師の診察をサポートする仕事がメインになりますが、外科では患部に包帯を巻くなどの仕事もあります。
クリニックの看護師
クリニックとは、地域のお医者さん、かかりつけ医という位置付けであり、入院設備はありません。
町の個人病院だと思えばいいでしょう。
外来診療が中心で、簡単な検査なども行いますので、医師の診察のサポートのほか、
- 採血
- 注射
- 点滴
- 心電図の測定
- 医療器具の消毒
- 薬品の発注
など、幅広い業務を担当します。
また、受付専門の人がいない場合には、電話対応や患者さんの受付・呼び出しなども行う場合があります。
訪問介護ステーション
自宅で療養している患者さんのところへ行って、必要なケアをするのが訪問看護師です。
医師の指示書に基づいて、
- 健康状態の観察
- 注射
- 点滴
- 血圧の測定
- 服薬指導
などを行います。
働いているのは病院ではなく、看護師を派遣する訪問看護ステーションです。
そこから患者さんのお宅に直接出向いて、必要なケアを行い、ケアした後には主治医に状況を報告します。
車で移動することが多いので、普通免許が必要な場合もあります。
老人ホームでのケア
老人ホームでの仕事は、病気の治療に関わることよりも、利用者の健康管理が中心になります。
- 薬の管理
- 検温・血圧測定
などの日頃のケアのほか、外出時の付き添いを行うこともあります。
老人ホームは病院ではないので、基本的には健康な人たちが入居しています。
しかし高齢者ですから、日頃から健康状態をしっかり管理していないと、いつ病気になるかわかりません。
また、デイサービスとは違い、お年寄りはそこに住んでいますので、基本的には24時間体制です。
施設によっては夜勤もあるでしょう。
施設で働く介護職員と連携しながら、利用者の健康を守る仕事です。
通所サービスでの仕事
老人ホームは「住む」ところですが、通って利用する施設もあります。
デイサービスは、要介護認定を受けた高齢者が、通って利用する施設であり、入浴したり、レクリエーションを楽しんだりします。
健康状態のチェックのほか、入浴介助や薬の管理なども行います。
デイケアはリハビリを行うための施設で、病院や老人ホームに併設されています。
身体機能を回復させるためのリハビリは理学療法士などが担当しますので、主に利用者の健康チェックを行います。
保育園での健康管理
保育園では、園児の健康管理はもちろんのこと、食中毒や感染症予防のための保健指導なども行います。
最近は、アレルギーの子供も増えているので、食事の管理や、万が一事故が起きた場合の対応などを指導します。
また、保護者向けに病気の予防についてのお手紙(保健だより)を発行するなど、家庭での健康管理についての指導も行います。
正看護師と准看護師
看護師には、正看護師と准看護師がいますが、業務の範囲に大きな違いはありません。
資格の位置付けが違うのです。
正看護師は国家資格ですが、准看護師は都道府県知事が認定する資格で、医師または看護師の指示によって業務を行います。
正看護師は自らの意思、判断で業務を行えるのに対して、准看護師はあくまでも「指示」を待たなくてはなりません。
将来的に、仕事の幅を広げていこう、と思うなら、正看護師を目指した方が良いでしょう。
まとめ:看護師の仕事内容は多岐にわたる!病院の大きさ、診療科によっても違う
看護師の仕事というと、「注射を打つ」というイメージを持っている人が多いと思うのですが、それはたくさんある看護師の仕事の中の、ごく一部ということがお分かりいただけたのではないかと思います。
入院している間の患者さんの身の回りのお世話や、医師の診察や手術がスムーズにいくようにサポートするなど、一見地味な、それでいて非常に重要な仕事をしているのが看護師です。
華やかな仕事ばかりではなく、どちらかというと縁の下の力持ち的な仕事が多いですが、そんな人たちの頑張りによって私たちの健康が守られているのです。
一般社団法人 Mission Leaders Academy Japan 代表理事
堀内 博文
1990年、高知県生まれ。
若手起業家、または起業を目指す 20 代を中心に、ビジネスでの結果を約束する Result Business Producer として活躍していたが、『自分の命の使い道』を『人を目覚めさせ本来の在るべき真の姿に導くこと』と定め、現在は一般社団法人 Mission Leaders Academy Japan 代表理事としてさらに活動の場を大きくしている。