パニック障害を発症すると、このまま今の仕事を続けていけるのだろうかと悩みますし、そもそも仕事ができるのか?と将来に対して大きな不安を持ってしまうと思います。
確かに、仕事中に発作が起きるかもしれないと思うと怖いでしょう。
それならば、どうしたら発作を抑えられるかを考えて、できる限り環境を変えずに、今の仕事を続けていく方法を考えましょう。
しかしそれでも、今の仕事が難しいとなった場合には、頭を切り替え、自分のペースで働ける職場探しをすることも大切です。
そこで今回は、パニック障害とうまく付き合いながら、自分らしく仕事を続けていくにはどうすればいいか?ということについてまとめました。
Contents
パニック障害になっても仕事を続けられる?それとも辞めるべき?
パニック障害になったという事実を受け止めきれず、仕事も続けていくべきなのか、辞めた方がいいのか、たくさん悩んでいると思います。
パニック障害と一口にいっても、その症状の出方は人それぞれです。
仕事の内容次第では続けていくことは可能ですので、もし仕事を続けたいという気持ちがあるなら、前向きに考えましょう。
医師とよく相談しよう
今の病状が、仕事を続けていける状態なのか、それとも一度休んだ方がいいのか、それを判断できるのは主治医です。
働き方を変えた方がいいというアドバイスを受けられるかもしれませんし、どのような形であれば仕事ができるのか、医師と相談しながら決めていくのが一番です。
働き方を変えるきっかけにする
パニック障害になりやすい人は、
- 真面目
- 几帳面
- 責任感が強い
などの性格の特徴があります。
仕事に一生懸命になるのはいいのですが、必要以上に自分を追い込んでいなかったでしょうか?
頑張りすぎて、自分のことは後回しなっていたから、睡眠不足や過労によって、パニック障害が引き起こされたのかもしれません。
それならば、今後の働き方を少し変えていく必要があるでしょう。
パニック障害になったことを、これからの人生を考え直すいいきっかけとしてとらえ、もう少しゆっくり仕事をする方法を考えれば、自分に適したペースを見つけて、仕事を続けていけるのではないでしょうか?
在宅ワークが可能な仕事なら、出社しないで済むようにしてもらうなど、働き方改革にもつながるでしょう。
一時的に休んで療養することも必要
症状によっては、医師からしっかり休養するようにいわれることもあります。
それは、今のあなたにとって充電期間として必要なものなので、医師の指示に従い、無理をしないことが大切です。
治療に専念して心の体力を取り戻すことが、これからの充実した人生につながりますので、焦らないでください。
自分を責めることなく、前向きにとらえましょう。
「急がば回れ」です。
治療はどのくらい続くものなのか?
通院や休養にはどのくらいの期間を必要とするのか、気になるところだと思います。
こればかりは個人差があるので、一概にはいえないのですが、パニック障害の治療には1年以上かけてゆっくりと進めていくのが一般的です。
というのも、焦って短期間で仕事に復帰すると、パニック障害が治ったように見えても、「残遺(ざんい)症状」という不調が起こることがあるからです。
- 不安感
- 動悸、息切れ
- 頭痛、肩こり
- 発汗
などの症状が起きて、仕事だけでなく、日常生活にも支障をきたすことがあるのです。
このようなことが起きないよう、ゆっくりと時間をかけて治療することが必要です。
パニック障害を発症しても仕事を続けていくには
パニック障害になったからといって、仕事を辞める必要はありません。
自分のペースで仕事を続けていきましょう。
発作が起きないように、注意しておくべきことを頭に入れておけば大丈夫です。
何がきっかけで発作が起きるかを知っておく
いつどのような発作が起きるか、それは人によって違います。
これまでを振り返り、どのような時に発作が起きやすかったのかを把握しておきましょう。
- エレベーターなど狭い場所にいた時
- 満員電車に乗っている時
- 残業続きで睡眠不足だった時
- 会議の進行、プレゼンなど人前で喋らないといけなかった時
女性の場合、生理中など体調がよくない時にも起こりがちです。
しかし発作のきっかけさえわかれば、対処のしようがあります。
自分なりの発作の予防法を見つけておく
例えば、狭い場所が苦手な人は、
- エレベーターを使わず、階段を使う
- 満員電車に乗らず、通勤時間をずらして少しでも空いた電車に乗る
など、物理的に苦手な場所を避けるという方法があります。
しかし、日常生活においては、苦手な場所を全て避けられないというのも事実です。
そんな時には、
- 音楽を聴いて目を閉じ、心を落ち着かせる
- 今朝、ちゃんと薬を飲んでいるから何も起きないと思うようにする
など、自分自身でマインドコントロールをしてみましょう。
深呼吸をしたり、ツボ押しをするなど、リラックスできる方法をいくつか見つけておくと、気持ちが焦ってしまった時でも落ち着けることができます。
生活のリズムを整えよう
ストレスや疲労がたまると、薬を服用していても、発作が起きやすくなってしまいます。
これを機に、生活習慣を見直して、疲れがたまらないようにしていきましょう。
- 早寝早起きをする
- 適度な運動をする
- カフェインやアルコールを摂り過ぎない
- タバコをやめる
- 栄養バランスを考えた食事をする
健康的な生活を心がけることが発作の予防につながります。
発作が起きてしまった時の対処法
それでも、発作が起きてしまうことはあるでしょう。
そんな時は、少しでも早く心を落ち着けられるように、以下の方法を試してみてください。
- その場で座り、膝を抱えて前かがみになる
- なるべくゆっくり呼吸をする
息ができない、苦しいと思うと気持ちが焦ってしまうと思うのですが、そんな時こそ落ち着いてください。
パニック発作は、思ったよりも短い時間でおさまります。
大丈夫、と自分に言い聞かせ、必ずおさまる!と思うようにしましょう。
周囲にも理解を求めよう
仕事をする上で、病気のことを隠しておきたいという気持ちがあるかもしれません。
しかし、知られないようにと神経を使いながら仕事をするのは、病気にもよくないです。
それは自分も辛いですし、周りの人にも迷惑をかけてしまうでしょう。
パニック障害の発作は、強く症状が出ると本人にはどうしようもない場合もあるので、周囲に症状を理解してもらい、対処法も話しておくと安心です。
万が一、仕事中に発作が起きて、慌てて何もできないことがあっても、周囲の人が知っていれば「大丈夫」と声をかけてもらえるでしょう。
パニック障害で仕事を変えたいと思う時に利用できる支援
パニック障害の症状が重く、今の仕事を続けていくのが難しいとなると、一旦仕事を辞めて新たな仕事を探す必要が出てきます。
そんな時は、障害があっても働けるようにサポートしてくれるサービスを利用して、自分のペースで仕事ができるようにしていけると良いでしょう。
障害者就業・生活支援センター
全国に300を超えるセンターが設置されており、厚生労働省または都道府県から委託を受けた社会福祉法人などが運営しています。
例えば東京には6ヶ所のセンターがありますが、東京在住でなくても利用できます。
利用料などはかからず、仕事探しの相談に乗ってくれたり、場合によっては職業訓練などを通じて求職活動をするサポートをしてくれます。
一人で就職活動をすることが難しい状況であれば、このようなサービスを積極的に利用して、自分のペースで仕事ができる職場を探しましょう。
就労移行支援事業所
一般企業に就職がしたいという思いを叶えるため、職業訓練などを行いながら、就職活動をサポートしてくれるのが、就労移行支援事業所です。
就職に必要な知識を学び、実習を通してスキルを身につけていくことができるほか、面接対策などもしてくれる強い味方です。
一人では不安な就職活動も、障害者に寄り添いサポートしてくれる人がいるなら頑張れるのではないでしょうか?
利用にあたっては、所得に応じた自己負担がありますが、多くの方は無料で利用しています。
まとめ:パニック障害でも仕事はできる。無理せず、自分のペースで!
パニック障害になっても、仕事を続けていくことは可能です。
しかし、パニック障害になったということは、今の仕事のやり方になんらかの「無理」があったのではないかと思われますので、仕事の量を減らしたり、生活のリズムを整えてしっかり休養を取るなど、生活の仕方そのものを見直していく必要があるでしょう。
どうしても今の仕事を続けるのが難しいとなれば、公的な支援などを受けながら、今の自分にあった仕事探しをすることもできます。
どの方法が今の自分にとって最適なのかを考え、無理しないで自分のペースで働ける環境を探しましょう。
一般社団法人 Mission Leaders Academy Japan 代表理事
堀内 博文
1990年、高知県生まれ。
若手起業家、または起業を目指す 20 代を中心に、ビジネスでの結果を約束する Result Business Producer として活躍していたが、『自分の命の使い道』を『人を目覚めさせ本来の在るべき真の姿に導くこと』と定め、現在は一般社団法人 Mission Leaders Academy Japan 代表理事としてさらに活動の場を大きくしている。