仕事にやりがいを感じないという理由で、転職を考える人はとても多いです。
もっとやりがいのある仕事がしたい、もっと自分を評価してくれる会社に移りたい。
その思いは、よくわかります。
しかし、それで転職をして、本当に上手くいくでしょうか?
やりがいを求めて転職した人が、後悔することは少なくありません。
やるべきことをやってからでないと、転職してもまたきっと同じ思いを抱くことになるでしょう。
Contents
やりがいを感じない時に転職はありか?
やりがいを感じられない理由を掘り下げずに、転職を考えるのはちょっと待ってください。
- 本当にやるべきことをやっているのか
- 自分なりの努力をしたか
- やれることはやりきった!と言えるか
よく考えてみたら、やりがいがないということに対して、自分では何も行動を起こしていなかったな、と思うなら、転職してもまた同じことの繰り返しになる可能性があります。
なんか今の仕事ってつまらない。
その程度のやりがいのなさで、転職してはいけませんし、転職活動をしてもうまくいかないでしょう。
どう考えても、今の会社にいては解決策が見出せないというところまでしっかり考えて、転職以外に問題解決の方法がないとなって初めて、転職を考えても遅くはありません。
やりがいを感じられないことで転職するのはありですが、それは、今の会社でやるだけのことをやった人だけです。
転職の前に、なぜやりがいが感じられないのかを分析する
それでは実際に、どうやりがいが感じられないのか、しっかり掘り下げてみます。
このようなことで、やりがいが感じられないのではないでしょうか?
頑張っても評価してもらえない
頑張っているのに、その頑張りを見てもらえていないと仕事へのモチベーションは下がってしまいます。
結果を出しているつもりなのに、成果を正当に評価されていないと感じたときも、仕事への意欲が低下して、やりがいが感じられなくなります。
評価には、2つあります。
1つは感謝されたり、認められたり、周囲からもらう反応です。
大人になっても、人に褒められる、認められるというのは嬉しいものです。
認めてもらってこそ、自己肯定感も高まりますし、頑張ってよかったとやりがいを感じることでしょう。
もう1つは、給料が上がる、昇進するなど、目に見える形で評価されることです。
頑張って成果を出したなら、その分お給料が上がって欲しいと誰しも思うものです。
この2つがあって、評価されている感じられ、同時にやりがいも感じられるのだと思います。
しかし、どちらか一方しかない、もしくは両方ともないという状態ですと、こんな仕事を続けても意味がないだろうと、やりがいを感じなくなっていきます。
自分の成長が感じられない
仕事をしていて、以前よりもできるようになったという達成感があると、自分の成長を感じられ、それがやりがいに変わります。
しかし、自分が成長できているのだろうか?と疑問を感じた時、やりがいのない仕事だと感じてしまうことがあります。
仕事を覚えるスピードは人それぞれなので、1回言われただけでささっと仕事ができてしまう人もいれば、何回教えてもらってもなかなかスムーズにできない人もいます。
仕事が難しいと感じると、頑張る気力も失われてきますし、逆に、仕事が簡単すぎて、「こんなの、誰にでもできる仕事じゃない?」と思うこともやりがいを感じられません。
やりがいを感じるためには、自分にしかできない仕事をしている、去年の自分よりも成長しているという感覚が必要なのです。
職場でステップアップするためにどうすべきか、自分がどうなりたいのかなど、今後を考える必要があるでしょう。
他の人と比べている
例えば、学生時代の友達と食事をしている時、仕事の話になったとします。
そんな時、
- みんな、そんな風に活躍してるんだ
- やりたい仕事をやってキラキラしてる
- 私よりお給料が高い
など、友達のやっている仕事の方が魅力的に感じてしまうこともあると思います。
特に仕事に情熱を注げている人の話は、その仕事がとても魅力的に思えることもあるかもしれません。
それにひきかえ私は…という思いが湧いてきて、今の仕事はなんとやりがいがないんだろうと感じます。
また、好奇心旺盛な人はすぐに他の仕事がしてみたくなるという場合も。
他の仕事が魅力的に思えると、今の仕事の嫌な部分に目がいってしまいがちになります。
しかし、しょせんは隣の芝生。
友達が本当のことを言っているとは限りませんし、人それぞれ、悩みはあるものです。
話に聞くほど、楽しくはないかもしれないと思わないといけません。
会社や今のキャリアに将来性が見出せない
希望に満ち溢れて入社したにもかかわらず、現実は思ってたのと違った、ということはよくあることです。
この先、この会社、この業界で将来長く働いていけるだろうか?という不安な気持ちを持ってしまうと、やりがいが感じられなくなってきます。
業界全体が先細りだと感じることもあれば、社員のキャリアアップに力を入れないなど、会社の体制に疑問を抱くこともあるでしょう。
このままこの会社にいたら、自分がスキルアップできない、年齢に応じたキャリア形成ができないと思うと、やりがいのない会社だなと感じてしまいます。
今だに年功序列で給料が決まるとか、若い人が意見を言いづらい環境だとか、自分の可能性を試すことができない環境では、「転職した方がいいかな?」と思うのも仕方ないことかもしれません。
同じことの繰り返しに飽きる
仕事の中には、営業の新規開拓のような、毎月チャレンジしなくてはいけない仕事もあれば、事務職のようにコツコツとこなしていく必要のあるルーチンワーク的な仕事もあります。
「毎日同じことの繰り返し」と感じている人は、仕事のルーティンに飽きてしまっているのでしょう。
はじめて仕事を教わったときには、新しいことにチャレンジをするという刺激を脳が感じます。
その刺激で人はやる気を感じますが、同じことを繰り返すことでその刺激に慣れてしまい、飽きたと感じてしまうのです。
もっと難しい仕事にチャレンジしたい、もっとスキルアップしたいという向上心にあふれた人ほど、やりがいが感じられなくなるでしょう。
しかし、飽きた状態で働き続けるのが苦痛に感じるのであれば、仕事の仕方を工夫するなど自分自身がアクションを起こす必要があるでしょう。
仕事に対する情熱が薄れてきた
「入社したての頃は情熱を持って仕事に取り組んでいたな」と感じる人は多いのではないでしょうか。
入社したばかりの頃は「この会社で頑張っていく」という意気込みもありますし、新しい職場での刺激を感じるためモチベーションを保ちやすいもの。
しかし、時が経つにつれて仕事に慣れるとともに、飽きを感じてしまうようになります。
このような場合は、新たなやりがいや目標を見つける必要があるでしょう。
今の仕事が自分に合っていないと感じる
仕事で失敗を繰り返したり、やりたい仕事ではなかったけれど妥協して今の会社に就職したという人は「仕事が合わない」と感じていませんか?
そのように考えながら仕事をしていては、当然モチベーションは下がります。
やる気が出ないまま仕事を続けているので、やりがいが感じられないのです。
本当にやりたいことは何?一度立ち止まって考えてみよう
やりがいを感じないと思った時、漠然とそう思っていても、現状は変わらないですし、そんなモヤモヤした気持ちのまま転職をしても、きっとうまくいきません。
今の会社でやりがいを感じる方法は本当にないのか、その点をしっかりと考えてからでも、転職は遅くないでしょう。
その職場で仕事を続けるメリットを考えてみる
はじめに、今の職場で働き続けるメリットを考えてみましょう。
例えば、
- 職場内の雰囲気がいい
- 給料には満足している
- 働き続けることで経験がつめる
- 顧客に喜んでもらえる
- ライフワークバランスが取りやすい
このように、自分にとってプラスになることは何かを考えてみてください。
なにもメリットが思いつかないというのであれば、それは転職を考えるべきかもしれません。
しかしメリットがあるのであればそれが働く理由や意欲となるので、あらためてメリットを確認することでモチベーションを上げることができるでしょう。
自分にとってやりがいとは何なのかを考える
給料の額がやりがいだと感じる人もいれば、人から認められることや感謝されることがやりがいだと感じる人もいます。
どんなことが、自分の心を満たしてくれるのか、その点をまずは見極めましょう。
ここがずれてしまうと、安易に転職をしても、またやりがいがないと感じ始めます。
給料が高いだけじゃダメだ、自分の成長も必要だと考える人もいると思います。
やりがいは一つではないので、自分が大事だと思っていることを、書き出してみてください。
例えば、お給料を上げるには仕事で成果を出すしかありませんが、今の会社の評価制度はどうなっているでしょうか?
その評価の仕組みにあった働き方をしないと、お給料は上がりません。
自分頑張ったと思っているだけではダメなので、一度確認してみることをおすすめします。
褒められたい、認められたいと思うなら、周囲の人が困っていることを聞いてみてもいいでしょう。
みんなが「こんなものがあったらいいな」と思っているような仕事の仕組みを考えるとか、「こんなことをして欲しい」と思っていることをやってあげるとか、周囲のニーズに応えるような仕事をしてみると、人から感謝されるようになるでしょう。
目標を正しく設定してみる
目標の立て方ひとつで、仕事へのモチベーションは大きく変わります。
目標設定をしても上手くいかない人の多くが、目標の立て方を間違えているのです。
例えば「ダイエットをする」という目標を立てても、何をもって目標達成というゴールとなるのかがわかりません。
また、期間が決められていないため、やる気も散漫になってしまうでしょう。
ダイエットで目標を立てるなら、
- 半年後までに体重を6kg落とす
- 1ヶ月で体重を500g落とす
- 毎日筋トレを30分おこなう
- 野菜とたんぱく質を中心にして、食事の摂取カロリーを1600kcalに抑える
このように設定すると具体的で、やる気も湧いてくるような気がしませんか?
目標は高すぎると、達成できないことで逆にやる気を失ってしまいます。
反対に、低い目標であっても繰り返し達成することで、モチベーションをアップすることができるのです。
目標は「昇進」「年収アップ」というような長い目で見る必要があるものを考えることも大切ですが、日常的にこなせる業務の中でも目標設定をすることができます。
「午前中に書類作成を終わらせる」など、ちょっとしたことでも目標を立てることで、集中力もアップします。
自分にしかできないことは何かを考えてみる
スキルアップして、成長していくことをやりがいと捉える人もいると思います。
まだ今の会社で、自分の力を発揮しきれていないのではないでしょうか?
それならば、もっと積極的に動いてみましょう。
今の部署の仕事でも、自分の特性を活かした得意な分野の仕事はありませんか?
ないなら、新たに作ってもいいのです。
こんなことをやってみたらどうでしょう、と上司に提案してみてください。
自分のスキルを活かせるようになると、毎日の仕事も楽しくなりますし、やりがいも感じられるようになるでしょう。
信頼できる上司や先輩に相談してみる
まだ、今の会社で力を発揮しているとは思えないのだけれど、実際に、何をどうやったらいいかわからないということもあると思います。
そんな時は、先輩や上司に相談してみましょう。
上司も、そんな時期を経験しているかもしれません。
- モヤモヤした気持ちを吹き飛ばして、やりがいを感じられるようになるにはどうすればいいのか。
- 自分の得意分野を活かすにはどうすればいいのか。
自分で考えてもわからないかもしれないですが、他人から見るとあなたの良さはきっとわかるはず。
「こんな風にしてみたら?」と良いアドバイスがもらえる可能性があります。
モチベーションを上げたい、もっと仕事に積極的に取り組みたいという意思が感じられると、上司だってきっとあなたのために、真剣に考えてくれるでしょう。
新しいことにチャレンジしてみる
仕事に飽きてしまった場合は、新しい刺激を受けることも大切です。
そのために、今まで携わっていなかった業務にチャレンジしてみるなど、目先を変えることも必要です。
そうすることで、入社したてのような情熱を思い出せるかもしれません。
また、仕事に役立つ勉強や資格の取得などもいい刺激になるでしょう。
積極的に人の手伝いをしてみる
自分の仕事がつまらないなら、さっさと片付けて、人の仕事を手伝ってみるというのもおすすめです。
自分の担当以外の仕事に触れてみると、いつもとは違った新鮮な気持ちになれます。
もしかしたら、その頑張りが認められて、違う部署に移動できる可能性もあります。
積極的に動いてみてください。
スキルアップして異動願いを出す
どうしても今の仕事が嫌だ!と思うなら、自分のやりたい仕事ができる部署に異動願いを出しましょう。
とはいえ、何もスキルがない状態で「今の仕事がつまらないので」と異動を希望しても通るはずがありません。
自分が何をしたいのか、どんな仕事ならやりがいを感じられるのかをしっかりと分析し、必要なスキルを身につけた上で、上司と話し合ってみてください。
将来の独立を目指して副業を始める
あなたが、自分で仕事を作っていきたい、好きな仕事をしていきたいと思うなら、独立起業するという方法もあります。
会社という組織の中で、与えられた仕事をすることに向いていない人もいるからです。
しかし、独立するというのは勇気のいる決断ですから、いきなり会社を辞めるのではなく、まずは副業からスタートしてみると良いでしょう。
副業なら、いつでも辞められるので、気軽に色々な仕事にチャレンジできます。
仕事にやりがいが必要なのかも考えてみて!
ここまでは、やりがいを探す方法についてお話ししたのですが、やりがいがそもそも必要なのか、という点についても、考えてみて欲しいのです。
仕事に意味を見出したい人は多いです。
1日の大半を会社で過ごすのですから、当然といえば当然なのですが、無理にやりがいを探さなくても良いのではないでしょうか?
やりがいを感じていなくても、自分の能力と仕事の内容がピタッとはまった時には、良い結果を出せるものです。
ということは、今の仕事にやりがいを感じられなくても、特に強い不満がないのなら、結果を出す方法は見つけられるでしょう。
何も今急いで転職する必要はありません。
仕事にやりがいを感じなくても、プライベートが充実していればそれでいいという人もいます。
自分の楽しみのためにお金を稼いでいる、という考え方もありです。
仕事はお金をもらうための作業と割り切って淡々とこなす。
働き方は人それぞれですから、意味がどうとか考えず、目の前の作業を効率よく片付けてさっさと帰ろう!と思って頑張れば、仕事以外の楽しみに時間を使えるようになります。
友人が、仕事にやりがいを感じてキラキラしているように見えてしまうとき、自分もそうあるべきだと思ってしまうことがあるのですが、本当にそうなのか、一度よく考えてみても良いでしょう。
まとめ:やりがいを求めるなら今できることをやりきってから!
今の仕事にやりがいを感じないという理由で転職を考える人は多いです。
しかし、その人たちの多くは、今やるべきことをやっていません。
やるべきことをやりきって、その上で「もうこの会社ではやりがいが感じられない」と思って初めて、転職を考えても遅くはありません。
やらなくてはいけないことをやらずに、自分が感じるやりがいだけを求めて転職しても、きっと後悔するでしょう。
なぜやりがいが感じられないのかをしっかりと自己分析して、今の会社でできることをやりきってください。
転職を考えるのは、それからです。
一般社団法人 Mission Leaders Academy Japan 代表理事
堀内 博文
1990年、高知県生まれ。
若手起業家、または起業を目指す 20 代を中心に、ビジネスでの結果を約束する Result Business Producer として活躍していたが、『自分の命の使い道』を『人を目覚めさせ本来の在るべき真の姿に導くこと』と定め、現在は一般社団法人 Mission Leaders Academy Japan 代表理事としてさらに活動の場を大きくしている。