仕事をサボりたい、ボイコットしたいと思ったことは、誰でも一度や二度あるのではないでしょうか。
しかし、実際にそれをするかしないかには、大きな差があります。
仕事をボイコットしたらどうなるのか、クビになる心配はないかと考えている方へ、ボイコットをした時の影響について解説します。
サボりたい、逃げ出したい気持ちは誰しもあります。
ボイコットしたくなったらどうすればいいのか、気持ちの整え方や自分でできることについてもお話ししますので、実行する前によく考えてみてください。
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そもそも仕事のボイコットはしてもいいことなのか
仕事のボイコットとは、連絡もなしに突然休んだり、行かなくなったりすることですが、これは法的にどうなるのでしょうか。
仕事をボイコットしたら即クビになるのでしょうか。
ボイコット=無断欠勤になる
まず、ボイコットするということは無断欠勤をするということですね。
無断欠勤が良いことでないというのは、誰しもわかることだと思います。
では無断欠勤ですぐにクビになるかというと、そうではありません。
正当な理由のない無断欠勤が2週間以上続き、督促にも応じない場合には解雇できるという通達がありますので、数日ボイコットをしたからといって即クビになることはないでしょう。
しかし有給休暇ではありませんから、ボイコットした分については給与が減額されるでしょうし、そのまま退職ということになれば退職金にも影響が出る可能性はあります。
解雇にはならないまでも、何らかのペナルティを受ける可能性があると思っておいた方が良いでしょう。
損害賠償はケースバイケース
では、仕事をボイコットをしたことによって会社に損害賠償を請求されるかどうか、この点についてはまずされないという見解が主流です。
というのも、損害賠償というのは、ボイコットをしたことで会社に何らかの損害が発生したこと及びその損害とボイコットに因果関係がなくてはいけません。
それを証明するのは簡単ではありませんし、社員が一人仕事をボイコットしたからといって会社全体にそれほど大きな損害が生じるというのは考えられません。
可能性はゼロとは言いませんが、損害賠償を請求されるということはまずないでしょう。
就業規則を確認しておこう
会社の就業規則を見たことがあるでしょうか。
入社した時に見たかもしれないけれど覚えていないという人が大半だと思います。
給与や休暇、解雇等の労働条件については就業規則に定められていますので、もしボイコット(無断欠勤)をした場合にどうなるのかを調べておきましょう。
ただし、「無断欠勤をしたら即日解雇」などと書かれていても、裁判では無効になるケースがほとんどです。
よほどの理由がなければそれは「不当解雇」になるためです。
会社側も社員を解雇するには正当な理由が必要ですから、1日の無断欠勤が懲戒解雇に当たるとは考えにくいからです。
とはいえ、ボイコットをしてもいいことにはなりません。
会社によってはクビではなくても罰金などの罰則を定めているところもあるので、就業規則に今一度目を通しておいてください。
ボイコットはなるべくしない方がいい
どんな理由でボイコットをするにしても、それを良いこととして捉えてくれる日本の会社は少ないと思われます。
周りの人も、嫌だ嫌だと思いながら我慢して仕事をしているのでしょう。
その中で、協力して環境改善などを訴えるならまだしも、自分一人でボイコットすることに対して、良い感情を持たない人の方が多いと思われます。
そうすると単に仕事をサボっただけと思われかねないので、仕事が嫌になってもボイコットをすることが得策だとはいえません。
何か主張したいことがあるなら、別の方法を一度考えてみるべきです。
仕事をボイコットしたい理由を考えてみよう
仕事をボイコットしたいと思った時、それを実行する前になぜボイコットをしたいのか、よく考えてみてください。
そうすれば、ボイコットをする以外の選択肢が見つかるかもしれません。
ボイコットしたい理由を書き出してみる
まずはなぜボイコットしたいのか、その理由を箇条書きにしてみましょう。どんなに小さなことでも構いません。
・上司と合わない
・残業が多くて嫌だ
・仕事の担当、内容に不満がある
・周りの人と合わない
・頑張っても給料が上がらない
思いつく限りたくさん書いていきます。
そうすることによって、自分が置かれている状況を客観的に見ることができるようになるので、解決策も見つかりやすくなるのです。
その中から自分でできることを仕分けする
さて、たくさん書き出した中から、自分で改善できることとそうでないことに仕分けをしてみます。
例えば、残業が多いことが不満だったとしましょう。
これは、自分の仕事のやり方を見直すという方法がります。
時間管理を考え直すことで解決できる可能性があるからです。
自分で改善してみても状況が変わらないとなって初めて、担当割りなど管理者側の問題になってくるでしょう。
上司と合わないというのは、自分の捉え方の問題である場合もあります。
言葉の受け止め方だったり、仕事のやり方、方針が合わない場合などいろいろなケースがあるでしょう。
これも、自分で改善できることはないか?と考えてみます。
お給料に関しては、今の仕事の内容に見合った給料になっているか、なっていないなら残業を減らしたり業務を効率化できないのか、話し合ってみましょう。
このように、不満の中で自分自身で改善できることを洗い出してみてください。
現状を変えるために自分でできることから始めてみよう
自分がなぜ仕事をボイコットしたいのか、その理由がわかったなら対策の立てようがあります。
他人を変えることはできませんが、自分を変えることならできます。
自分の仕事のやり方、自分の考え方などより良い方向へ持っていくにはどうすればいいか、今自分ができることから変えていくのです。
自分の仕事のやり方で改善できることはないか考える
まずは仕事のやり方について考えてみましょう。
もっと改善できることはないか、効率よくできることはないか、もっと違うやり方はないのか、考えてみてください。
・会議をするときには事前にテーマや目的を周知してダラダラするのを避けて時間を削減
・常にやることをリスト化し、優先順位をつける
・朝の無駄な時間を減らすために、翌日の予定は前日帰る前に確認しておく
・わからないことは一人で悩まずに、人に相談する
例えばこのようにして、少しでも無駄を省く工夫をしてみると、残業が減らせるのではないでしょうか。
違う部署に異動できるように実績を積む
やりたかった仕事と違う、もっと自分にあった部署に異動したいという場合は、異動する事であなたの不満が解消できるかもしれません。
しかしいきなり異動したいといってもさせてもらえるものでもありませんので、まずは今目の前にある仕事に真摯に取り組み、小さな事でも構わないので実績を積んでいきましょう。
徐々に実績を残していけば希望の部署に異動できる可能性が出てきます。
どうしても我慢できないならいさぎよくやめる
しかし自分でできることには限界があるので、どんなに頑張っても深夜残業を減らすことができないとか、お給料が上がる見込みがないといった場合には、そこで我慢するよりも転職先を探した方がいいでしょう。
ボイコットをして迷惑をかけるより、次の活躍先を考えた方がずっと建設的です。
ボイコットを仲間としようとしているならちょっと待って!
この状況を変えるためには、みんなでボイコットしてわからせるしかない!という気持ちになることもあるでしょう。
しかし、それはちょっと待って!
よく考えてください。
労働者には団体になって会社と交渉する権利が認められていますが、それは労働組合がある場合です。
ただ集団になってボイコットをしても単なるサボりになってしまいます。
みんなで意見をしてみるのはどうだろう
周りの人ももし「ボイコットしてやる!」という同じ気持ちを持っているなら、その不満を上司に正々堂々とぶつけてみてはいかがでしょうか。
最初にもお話しした通り、ボイコットは決してあなたに良い結果をもたらしません。
それは集団でやっても同じことです。
ですからみんなの意見を集約して、きちんと伝えるのです。
一人では言いにくいことも、仲間で団結すれば伝えられるのではないでしょうか。
部下が皆こんな風に思っていたのか、ということがわかれば、上司の考えにも変化があるかもしれません。
話しているうちにスッキリすることも
悩みというのは人に話してみるだけでもスッキリすることがありますし、話しているうちになんでこんなことで悩んでいたんだろう?と思うこともあります。
何よりも、話をして自分の気持ちを理解してもらえたら、「ひとりじゃない」という気持ちになるのではないでしょうか。
なんだ、みんな同じ気持ちだったんだと思うと、少しホッとしませんか?
誰かに理解してもらえるのは非常に心強いことです。
気持ちが安定してくると、少々のことではボイコットしようなどと思わなくなるでしょう。
まとめ:仕事のボイコットはせずに違う方法を探ろう
仕事に対して不満が溜まってしまうとボイコットしたい!という気持ちになるのはわかります。
だからといって安易に実行してしまうことは自分にとって決してプラスになるとはいえません。
ボイコットをする前にその気持ちを整理して、ボイコットをしたいというエネルギーを仕事のエネルギーに変えていけるよう、今回ご紹介した方法を試してみてください。
一般社団法人 Mission Leaders Academy Japan 代表理事
堀内 博文
1990年、高知県生まれ。
若手起業家、または起業を目指す 20 代を中心に、ビジネスでの結果を約束する Result Business Producer として活躍していたが、『自分の命の使い道』を『人を目覚めさせ本来の在るべき真の姿に導くこと』と定め、現在は一般社団法人 Mission Leaders Academy Japan 代表理事としてさらに活動の場を大きくしている。