毎日同じ業務の繰り返しになりがちな仕事ですが、いつの日からか急に「仕事ができなくなった」と感じたことはありませんか。
仕事ができなくなるにはさまざまな要因があります。
ですが、仕事をしていると体が不調を訴え業務に支障が出る場合、心因性のストレスが引き金になっていることが多いです。
これまでできていたことができなくなったと感じるとき、それは心と体が危険信号を出している可能性があります。
ここでは、仕事ができなくなったと感じる理由や、それに対する対策についてお話していきましょう。
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どのような状況で「仕事ができなくなった」と感じるのか
仕事ができなくなったと感じる場合、大きく分けて2つのパターンがあります。
ひとつは体調不良を伴うもの、もうひとつはモチベーションなど気持ちの面が原因であるものです。
分かりやすくそれぞれの例を挙げてみましょう。
パターン①仕事にとりかかろうとすると頭痛、腹痛、吐き気など体調が途端に悪くなる
「この職場は3年目です。
私は営業事務の仕事をしていますが、3年目ということもあり中堅の立場でたくさんの仕事を任せてもらえるようになりました。
仕事は好きで、仕事内容にも不満はありません。
ですが、ここ最近仕事にとりかかろうとすると急に具合が悪くなってしまうようになったのです。
家を出るまでは何ともないのに、会社に着き仕事をしようとパソコンを立ち上げた途端に頭がガンガン痛くなったり、吐き気を感じたりするようになりました。
しばらくすると収まるのですが、毎朝同じような症状に悩まされています
(29歳女性 営業事務)」
この場合、仕事を始めようとしたときに限って体調不良が起こる点に注目しなければなりません。
普段の生活においては健康面に問題はないのに関わらず、仕事に向かうと急に体調が悪くなるということです。
仕事に対して、体が何らかの拒否反応を起こしているように考えるのが自然でしょう。
パターン②どれだけ頑張っても仕事に集中することができない、ミスが増える
「私は経理の仕事をしているので、会社の収支に関わる書類などを作成する機会がかなり多いのですが、あるときからどうしても仕事に集中できないと感じることが増えました。
例えば、エクセルに数字を入力していく作業をしている途中にどこまで入力したかが分からなくなったり、いざ計算式を入れようとしても何を入力すれば良いか分からなくなったりすることが増えたのです。
そして、ミスをすることも増えました。
これではいけないと集中してやろうと常に思っているのですが、どうしても集中できず同じようなミスをしてしまいます。
(33歳女性 経理)」
この場合、単純作業であるのに関わらず集中力がないために業務が進まなくなってしまっています。
集中しようとしても集中できない、これまでであれば考えられない様なケアレスミスが目立ち仕事に支障が出てきている状況です。
仕事ができなくなったときには適応障害の可能性も視野に入れよう
これまでできていた仕事ができなくなったと感じるときには、適応障害の可能性も視野に入れた方が良いでしょう。
先ほど例に挙げた2つの事例は、仕事をするときに精神的もしくは身体的に不調を感じ、その不調が原因となって業務に差し支えている状況です。
一時的な疲れや、ストレスが原因である場合は時間が解決してくれたり、休息をとることで改善されたりするものですが、長引く場合もあります。
適応障害は、今置かれている状況下で強いストレスや疲労感を感じてしまい、それにより不眠や動悸など様々な症状がみられる疾患のことです。
放置しておくとうつ病になることもあるため、医師の適切な処置を受け早めに治療をしておくのが賢明です。
仕事ができなくなったと思うときには、「このままではいけない」「仕事ができないなんてダメだ」などの焦りの感情が湧き出てくるものですが、これによって症状はさらに悪化することもあります。
真面目で頑張り屋な性格の人ほど適応障害やうつ病になりやすいのはそのためです。
適応障害の主な症状
仕事ができなくなった原因が適応障害なのかどうかは、症状を細かく見ていくことで明らかになります。
適応障害の症状としては主に下記のものが挙げられます。
あてはまるものがあるかどうかご自身に置き換えて考えてみましょう。
・不眠
・食欲不振
・動悸
・憂鬱感が常にある
・不安感が常にある
・集中力の低下
・仕事に遅刻しがちになる
・仕事を休みがちになる
・頭痛
・吐き気
これらの症状にあてはまるものが多ければ、適応障害が理由で仕事ができなくなっている可能性が高いです。
なるべく早く心療内科を受診されることをおすすめします。
適応障害を引き起こす主な原因
適応障害は、さまざまなことが引き金になって発症するものですが、その多くは、下記のようなことが理由となっています。
仕事に関わるもの
・極端に多い業務量を任された
・人事異動で慣れない環境に置かれた
・大きなミスを犯して社内の人に迷惑をかけた
・慣れない業務を任された
・職場の人間関係が上手くいかない
私生活に関わるもの
・友人との不和
・恋人との別れ
・引っ越しにより環境が大きく変わった
・金銭的な困窮
・将来に対する漠然とした不安
仕事ばかりが原因とは限りませんが、仕事上のストレスが原因で適応障害を発症する例はとても多いです。
これらにあてはまるものがあれば、今あなたが感じている不調は適応障害の初期症状である可能性もあるでしょう。
仕事ができなくなったと感じたら自分を責めずに労わること
仕事をしているときにどうしても集中できなかったり、毎朝気分が悪くなったりするときに、自分を責めてしまうとその症状は悪化することが多いです。
自分を責めることで自分自身が傷つき、「仕事中に毎回気分が悪くなるなんて自分はダメな人間だ」と感じてしまいます。
自分で自分を否定する自己否定は、メンタルヘルスにいい影響を及ぼすことはありません。
仕事ができなくなったと感じたときには、まずその理由を考えましょう。
なぜミスをするようになったのか、なぜ具合が悪くなったのか、それは何をきっかけに始まったのか。
これらを考えることで原因が見えてくることもあります。
自分が「できない人間」だから仕事ができなくなったのではありません。
自分を責めるのではなく、まず十分な休息をとるなど自分を労わることを始めましょう。
体と心は密接に繋がっているため、どちらかが癒されることで両方とも快方に向かうことも多いです。
自分自身を大切にケアしましょう。
心療内科の受診もその一環です。
体を休めても症状が改善されない場合は、医師に相談しましょう。
まとめ
仕事を続けていく上で心と体の健康は非常に大切です。
仕事ができなくなったと感じたら、自分を責めるのではなく、その原因を追究しましょう。
なぜできなくなったのか、そこに目を向けましょう。
これまで問題なくこなせていた仕事ができなくなるには何かしらの理由があるはずです。
日ごろ一生懸命仕事に取り組んでいると、仕事ができないことに対して憤りを感じてしまいがちです。
ですが、それはもしかすると心と体の危険信号かもしれません。
その信号を見過ごすのではなく、きちんと対応しましょう。
今後も社会人として長く勤め続けていくために、心と体の健康状態には常に意識しておきたいものです。
一般社団法人 Mission Leaders Academy Japan 代表理事
堀内 博文
1990年、高知県生まれ。
若手起業家、または起業を目指す 20 代を中心に、ビジネスでの結果を約束する Result Business Producer として活躍していたが、『自分の命の使い道』を『人を目覚めさせ本来の在るべき真の姿に導くこと』と定め、現在は一般社団法人 Mission Leaders Academy Japan 代表理事としてさらに活動の場を大きくしている。