仕事の調整なんて意味がないのではないか、こんな仕事ばかりしていたら、ちっともスキルアップできないのではないかとお悩みの方へ、調整できるあなたは素晴らしいというお話をしたいと思います。
調整力は人間力です。
誰にでもできる仕事ではないですし、むしろ能力の高い人でないとできない素晴らしい仕事です。
今回は、調整という仕事の奥深さをお伝えするとともに、その重要性について理解を深めていきたいと思います。
調整できる人は、もっと自分に自信を持ってください。
Contents
仕事の調整がわずらわしい!なんでこんな仕事が必要なのか?
あっちからはこう言われ、こっちからはこう言われ、調整をしていると板挟みになって辛い思いをすることもあると思います。
嫌な思いをするたびに、なんでこんなことをしているんだろう?とうんざりするでしょうが、調整力というのは誰でも身につけられるものではありません。
とても大切な仕事です。
それぞれの部署の利害を認識してもらう
調整の仕事というと、会議を設定したり、誰に何をしてもらうか分担を考えたり、表面的なことばかりがクローズアップされがちですが、それだけではありません。
調整の本質は、部署同士の認識を把握し、利害の対立を防ぐことにあるのです。
企画・アイディアを出す部署、商品開発をする部署、実際に商品を売る営業部など、それぞれ「こうしたい!」という思いがあるでしょう。
良いアイディアだ!絶対売れる!と思っても、お客様に近いところにいる営業担当からは「こんなの絶対売れない」と反対されるかもしれません。
やりたいことがあっても、それぞれの部署同士が対立してしまうと、うまく話が通らないのです。
そんな時に力を発揮するのが調整という仕事なのです。
お互いの利害を理解してもらい、「この方法なら丸くおさまる」という方法を提示することで、みんなに納得してもらうという非常に難易度の高い仕事です。
仕事は調整なしでは成り立たない!
調整、根回しなどというと日本的な古い考えなのではないかと思う人もいるかもしれません。
しかし、調整はどの仕事でも、どの社会でも必要なことです。
調整の仕事とは、関わる人たち全てに同じ方向を向いてもらう仕事、と考えるとわかりやすいでしょう。
みんなが自分の部署の主張だけを言い出したらキリがありませんが、人の都合も考えず、あれこれ言う人のいかに多いことか。
調整する人がいなかったら、会議一つまともにできない会社もあるでしょう。
利害が衝突する中で、どこに落とし所を見つけるのかというのが調整の仕事の最も重要な部分ですので、調整なくして仕事は成り立たないのです。
調整ばかりでなんのスキルも身につかないのでは?と不安になる人へ
営業職は、売上を上げれば仕事の成果が数字として現れます。
今月は社内でトップの成績だった!と成果がわかりやすいので、とても華々しく感じるでしょう。
それに対して調整の仕事は、いわば裏方です。
部署と部署の間に立って、それぞれの意見を聞きながら、みんなにとってより良い着地点を探すのが調整の仕事です。
そんなことばかりしていたら、必要なスキルが身につかないのではないか、時間だけが経って結局何もできない人になってしまうのではないか?と不安になる人がいますが、そんなことはありません。
調整の仕事は、マニュアルもないですし、まして答えなどどこにもありません。
その時々で、最適な答えは変わるからです。
答えのない仕事をするには、
- 人の話を真摯に聞き、相手の立場を理解する
- 場合によっては反対する人を説得する
このようなスキルが必要です。
仕事のスキルの中でいうとポータブルスキル、ヒューマンスキルと呼ばれる種類のスキルですが、これはなかなか身につくものではありません。
あなたがすでに調整力を身につけているなら、これ以上のスキルはないと自信を持ってください。
調整についての考え方を変えよう!調整の仕事はこんなに奥深い
調整ばかりでうんざりだ。
そんなふうに思っていたら、良い調整はできなくなってしまいます。
調整はなくてはならない仕事ですし、派手さはないかもしませんが、最も重要な仕事であることは間違いありません。
目先の成果に惑わされず、調整という仕事の重要さについて改めて理解を深めると、自分のやっていることが無駄だなんて思わなくなります。
調整とは思いを共有すること
最初に、調整とはみんなに同じ方向を向いてもらうための仕事だという説明をしました。
言葉でいうのは簡単ですが、実際にやってみるとこれほど困難な仕事もありません。
最終的なゴールを見せ、なぜこの商品(またはプロジェクトなど)が必要なのか、それを言葉にして明確に伝えるのが仕事ですから、まず自分の中に熱い思いがあることが大前提です。
そしてその思いをみんなに伝えて理解してもらい、気持ちを一つにまとめ上げていくことが調整の醍醐味です。
最初は不協和音さえ聞こえていたものが、最終的には素晴らしいハーモニーを奏でる。
まるでオーケストラの指揮者のようです。
人の気持ちが想像できること
人を説得するには、自分の思いだけを押し付けていてはだめです。
相手がしてほしいこと、相手が望むことを推し測り、メリットを示すことで調整がスムーズにいくでしょう。
相手に合わせた説得材料を揃える必要があるので、立場や性格、価値観などをよく理解して話をすることが大切です。
つまり、人の気持ちがわかる人でないと、調整の仕事はできないのです。
誰もができるような仕事に見えて、実は誰にでもできるような仕事ではないのです。
調整はマネジメントと同じくらい大事な仕事!
マネージャーなどわかりやすい名前のついた役職なら、もっとやりがいを感じるのでしょう。
調整役にはわかりやすい名称がついていませんので、なんだか中途半端に感じられてしまうのだと思います。
しかし、調整役はマネージャーに匹敵する非常に重要な仕事です。
コミュニケーション能力は立派なスキル
仕事のスキルには色々な種類がありますが、たとえばパソコンのスキルのように、学べば身につくテクニカルスキルは、誰でも習得可能です。
調整力は、人と人とをつなぐスキルですから、コミュニケーション能力が必要ですが、本を読んで身につくものでもなく、答えがあるわけでもないので、最も身につけるのが難しいスキルの一つです。
調整力は人間力といっても過言ではありません。
調整力があったら、どんな会社でもやっていけるでしょう。
誰にとってもベストな回答を見つけるプロフェッショナル
お互いの意見がぶつかり合った時、大人だからこそ引くに引けなくなってしまうということがあると思います。
そんな時に間をとりもち、それぞれの顔をつぶすことなく最適な道を見つけるのが調整の仕事なのです。
Aという意見とBという意見がぶつかり合い、どちらも譲らない時に、Cという新しい考えを提案するようなことも、調整の仕事の一つでしょう。
みんなが納得するような着地点を見つける、非常にクリエイティブな仕事でもあるのです。
誰にでもできることではないので、調整ばかりだなんて思うのはもったいないです。
調整力のある人は人を動かすことができる
仕事は一人ではできないのに、忙しい毎日の中でその大事なことを忘れがちではありませんか?
たくさんの人が関わり合って、より良いものを生み出すことができます。
調整する人は、その中心にいます。
みんなを自分が思う方向へ導いていくこともできるわけで、ある意味、影のマネージャー。
上司よりもはるかに人を意のままに動かしている部分があるかもしれません。
仕事に関わるたくさんの人たちを動かす力、これは紛れもなくあなたにとって重要な武器になるはずです。
まとめ:仕事が調整ばかりだなんて愚痴るのはもったいない!
調整の仕事は、営業職のように結果が数値で表れる仕事ではないので、一見派手さはありません。
しかし、とても重要な仕事です。
各部署にお互いの利害を理解してもらい、みんなが同じ方向を向くようにまとめあげる仕事であり、意見が衝突したときには、みんなが納得するような落とし所を見つけるという、非常に難易度の高い仕事なのです。
コミュニケーション能力がないとできない仕事ですので、スキルがつかないどころか、どの会社に行っても通用するスキルが身に付きます。
調整ばかりでうんざりだなんて思うのは、とてももったいないので、これまで以上に調整のスキルを磨き、仕事を頑張っていきましょう!
一般社団法人 Mission Leaders Academy Japan 代表理事
堀内 博文
1990年、高知県生まれ。
若手起業家、または起業を目指す 20 代を中心に、ビジネスでの結果を約束する Result Business Producer として活躍していたが、『自分の命の使い道』を『人を目覚めさせ本来の在るべき真の姿に導くこと』と定め、現在は一般社団法人 Mission Leaders Academy Japan 代表理事としてさらに活動の場を大きくしている。