真面目に仕事を頑張っているつもりなのに、いつも仕事をたらい回しにされて、なかなか仕事が定着しない人がいます。
他の人より異動が多く、一つのところにいる期間が短いために、その道のスペシャリストになることもできません。
たらい回しされてばかりいると良いことは一つもないので、早くこの状況から抜け出したいところです。
なぜたらい回しにされるのか、その理由と向き合い、自分を変えていく必要があるでしょう。
Contents
会社が特定の人をたらい回しにする理由
他の人は、自分の担当をしっかりと与えられ、着実にスキルアップしているように見えるのに、自分だけがたらい回しにされているなら、あまり嬉しくない理由が考えられます。
今の会社では必要とされていない可能性
とても辛いことだと思いますが、正直に結論をお話ししますと、仕事ができない人をどう扱って良いかわからず、部署同士でたらい回しにしているのです。
どの部署も、仕事ができないと言われる人を欲しがることはないでしょう。
しかし人事としては、仕事ができないという理由でクビにするわけにもいきません。
上司も仕事を与えなければパワハラとして訴えられる可能性があるので、当たり障りのない仕事をさせながら、適度なところで違う部署に異動させる、ということを繰り返しているのです。
どこかで欠員が出れば、その穴埋めとして、「この人をとりあえず異動させておけばいい」とばかりに、たらい回しにします。
手っ取り早い退職勧奨
一度採用した人は、よほどのことがない限りクビにはできません。
リストラも、一方的にできるわけではなく、あくまでも本人の意思で早期退職してもらうという方法を取ります。
しかも、給料も会社が一方的に減らすことも違法となるので、会社にとって生産性がないと思う人をどうすればいいのか、人事も頭を悩ませているのでしょう。
そこで、たらい回しという方法を取ることがあるのです。
本人が希望するやりがいのある仕事や重要な仕事は与えずに、形だけでも仕事をやらせて、本人が辞めようかなと思うのを待っているわけです。
会社側が、仕事ができないことを理由に退職勧奨をすれば問題になりますが、とりあえず仕事は与えていますので、パワハラで訴えることも難しいという状況です。
仕事をたらい回しにされ続けているとどんどん仕事ができなくなる
簡単な仕事ばかりだからいいか、と思ってはいけません。
たらい回しにされているということは、一つの仕事を極めるまでやっていないということになります。
つまり、いつまで経っても一人前になれないということです。
いくつになっても戦力になれない
20代なら、いろいろな経験をさせてもらうというのはありがたいことです。
その中から自分のやりたいことや、自分のスキルを活かせるキャリアパスを見つけていくものだからです。
しかし、たらい回しというのは、経験を積ませるためにやっていることではないので、それほど意味のある仕事は与えてもらえません。
スキルアップにつながるような難しい仕事も、もちろんさせてもらえないでしょう。
その結果、この歳なのにこんなこともできないの?という状態になるのです。
負のループから抜け出せない
新しい部署に移れば、そこの仕事を一から覚えなくてはいけません。
簡単な仕事といっても、初めてならばそれなりに学ぶことはあります。
しかし、たらい回しにされている人は、覚えた頃にはまた違う部署に異動になります。
そうすると、またそこで一からやり直しです。
このようなことを繰り返すことになるので、いつまで経っても仕事ができない人から抜け出せず、たらい回しの日々が続きます。
仕事をたらい回しにされた時にやるべきこと
自分は必要とされていないのかと、落ち込んでいる場合ではありません。
このまま、給料さえもらえていればいいと開き直る人もいますが、スキルがない状態のまま歳だけを重ねていくと、今後会社に何かあった時に路頭に迷う可能性もあります。
リーマンショックやコロナ禍のように、いつ何が起きるかわからないのですから、今の会社がいつまでもあると思ってはいけません。
自分の将来のためにも、頑張って力をつけていきましょう。
必要とされる人を目指す
諦めたら終わりですから、仕事ができる人の側にいきましょう。
その部署で仕事ができる人をよく観察してください。
仕事ができるとはどういうことなのかから、理解しなくてはなりません。
- 普段の身だしなみはどうか
- 朝、出社したら最初に何をしているのか
- 机の上はどうなっているか(片付いているか、どのような資料が置いてあるか等)
- 上司と話す時にどんな質問をしているか
- 雑談するときにどんな話題を選んでいるか
- 仕事でトラブルがあった時にどんな対応をしているか
じっくりと観察してみると、自分とは違うなという点が山ほど出てくると思います。
その点がわかってきたら、とりあえず真似してみましょう。
形から入るのも時には必要ですから、できる人の仕事ぶりをつぶさに観察して取り入れることで、仕事をするというのはこういうことだったのか、ということがきっとわかります。
今までの経験を無駄にしない
たらい回しにされていた時のことが全く無駄だったかというと、決してそんなことはありません。
簡単な仕事であっても、上司が求めるレベル以上の素晴らしい仕事ができる人は、意外に少ないものです。
ですから、過去の経験も生かしていきましょう。
例えば、ただ数字をエクセルに入力するだけの簡単な仕事であっても、エクセルに触れるという経験をしているのですから、勉強できる点はたくさんあります。
本を読んで、エクセルの関数やマクロを勉強してみるのも良いでしょう。
単純作業ばかりさせられていたという人は、時間内に効率的に作業を片付ける方法や、疲れない体の使い方などを見つけることはできないでしょうか?
今の仕事に直接役立つことでなくてもいいのです。
経験は決して無駄にはならないので、いつか役立つと思って、これまでやってきたことをどんどん掘り下げてみてください。
しっかり準備をしておけば、チャンスが目の前にやってきたときに、逃さず掴むことができるでしょう。
上司に直訴できるよう実力をつけよう
私はこの仕事がやりたいです!と上司に相談できるように、やりたい分野のスキルアップをしていくことも重要です。
すでに「たらい回しにされている人」というレッテルが貼られていますので、ただやりたいといっても、おそらく要求が通りません。
ですから、これまでの経験にプラスして、新しい知識もどんどんインプットしてください。
たらい回しされてもその会社に残るべきなのか?
こんな思いをしてまで、この会社に居続ける意味があるか?と悩むこともあるでしょう。
思い切って辞めて、リセットするのも一つの方法です。
しかし、転職できるだけのスキルを持っているかどうかは、冷静に判断しましょう。
転職エージェントの適職診断などを利用し、自分に適した分野を探すのです。
その上で、今はまだ転職しても理想の会社に入ることはできないだろうと思ったら、必要なスキルを身につけましょう。
たらい回しにされているということは、それほど重要な仕事は与えられていないと思います。
それなら、さっさと定時退社をして、自分のために時間を使い、たくさん勉強してください。
思わぬところでスキルアップする時間ができたと思って、次のステップを考えれば良いのです。
まとめ:仕事をたらい回しにされないよう実力をつけていこう
仕事をたらい回しにされるのは、悲しいことですが、今の実力では会社の戦力にならないと思われているからです。
会社によっては、遠回しの退職勧奨である場合もあります。
辛いと思いますが、この現実をいったん受け止めて、必要とされる人を目指しましょう。
仕事ができるとはどういうことなのか、できる人をよく観察して、仕事のやり方を真似してみます。
今までやってきたことも無駄ではありませんから、自分なりにスキルアップする方法を考え、実力をつけていくしか、たらい回しから抜け出す方法はありません。
過去のことはさておき、これからのことを見据えて、未来のために頑張っていきましょう。
一般社団法人 Mission Leaders Academy Japan 代表理事
堀内 博文
1990年、高知県生まれ。
若手起業家、または起業を目指す 20 代を中心に、ビジネスでの結果を約束する Result Business Producer として活躍していたが、『自分の命の使い道』を『人を目覚めさせ本来の在るべき真の姿に導くこと』と定め、現在は一般社団法人 Mission Leaders Academy Japan 代表理事としてさらに活動の場を大きくしている。