誰にも、何も教わらずに、バリバリと仕事ができるようになる人はいないでしょう。
しかし、新しく来た人に仕事を教えない上司や先輩が実際にはいるのです。
仕事を教えてもらえなくて、本当に辛い思いをしている人もいるでしょう。
こちらから聞いているのに、ちっとも教えてくれないと、どうしていいかわからずに本当に困ってしまうと思います。
そこで今回は、仕事を教えてくれない人の心理や、教えてもらえない時にはどう対処したらいいのか、ということについてお話しします。
仕事を教えてもらえないとやりがいも感じらませんし、仕事が進められなくて本当に困ると思いますので、辛い思いをしている方は是非参考にしてください。
困っているのに仕事を教えてくれないのはなぜ?
仕事を教えてくれない理由としては、大きく分けると2つの原因があります。
それは仕事の配分が適切でないなどの会社の問題、それから仕事を教えられないという個人の資質の問題です。
それぞれ、詳しく見ていきましょう。
マニュアルがない
なんとなく惰性で仕事を続けてしまっていた部署には、マニュアルがないということがよくあります。
本来ならば、これまで引き継いできた内容は文書として残しておくべきですし、誰がきてもすぐに仕事に取りかかれるようにしておかなくてはなりません。
しかし「なんとなく」がまかり通ってきた会社ですとマニュアルという存在自体がないので、どのように仕事を教えればいいのか、誰もわからないのです。
これは会社の問題です。
人手が足りない
教えたいのは山々なんだけれど、どうにも時間が取れない…と先輩自身も悩んでいるかもしれません。
仕事を教えてあげないと!と思っているけれど、人手が足りないために忙しすぎて、新人に仕事を教える時間を確保することができないのです。
先輩たちの受け持っている仕事の方が重要度は高いですから、新人の仕事は後回しにされがちです。
忙しいなら手分けをして仕事を教えるなどの対策が必要ですが、そうする余裕も無くなってしまっている場合があります。
これも会社の問題です。
人に教えるのが苦手
仕事ができる人が教えるのも上手、とは限りません。
自分は仕事ができても、いざ教えようとするとうまく教えられないという人はいるものです。
これは個人の資質の問題です。
教えるにも技術がいるので、教え方を学んでいなければ新人の教育などできないのですが、日本の会社では「自分のやってきたことなんだから教えられるだろう」と、その人任せになってしまっている部分があります。
教えられるほど自分もわかっていない
人に教えるには、その仕事の本質を自分自身が深く理解していないといけません。
しかし、表面上のやり方だけを知っているだけで、なぜその仕事が必要なのか、仕事の目的などをきちんと理解できていないために、新人に仕事が教えられない先輩はたくさんいます。
それが自分のせいだということすらも気づいていないことがあるので厄介です。
自分の仕事を人に任せられない
自分がやった方が早いからと、新人に仕事を教えずに自分でやってしまう先輩もいます。
本当に困ったものです。
仕事を教えるのも仕事のうちなのですが、新人になんて任せられないと思っていて、一向に人を育てようとしない人についてしまうと悲劇です。
自分は仕事ができると勘違いしている人によく見られる傾向です。
部下に抜かされると思っているから
あまり多くはないと思いますが、「この人は仕事ができそうだ」と思うと、仕事を教えることによって自分の立場が脅かされるのではないかと不安になってしまう人がいます。
部下が仕事ができるようになれば、それは上司の評価にもつながりますし、決して悪いことではないのですが、部下に抜かされたくないという一心で「教えない」という意地悪をしてしまう人がいます。
いまだに「仕事は盗んで覚える」と思っているから
職人ではないのですから、見て覚えるより、教えた方が早いはずです。
もちろん、マニュアルに仕事の全てを書けるわけではないですし、見て覚える部分がゼロだとはいいません。
しかし、見て覚えるのはプラスアルファの部分であって、基本的なことは最初に説明をしてから取り掛かった方がわかりやすいでしょう。
それなのに、「とりあえず見て覚えて」というようなことを言う人が未だにいます。
教わる側が人に教わる姿勢がなっていないから
仕事を教えてもらえないのは、教わる側に問題がある場合もあります。
自分は大丈夫だったかな?と、ちょっと振り返ってみてください。
- 一度教わったことを何度も聞く
- 真摯な態度で話を聞いていない(と思われている)
- 相手を小馬鹿にしたような態度(だと思われている)
このようなことはなかったでしょうか。
例えば、途中入社だと、その部署で自分に仕事を教えてくれる立場の人が年下だったということもあるでしょう。
しかし、年齢は関係ありません。その会社では先輩なのです。
相手の年齢、性別問わず、「教えてもらう」という姿勢で話を聞かなくてはなりません。
また、一度教わったことを何度も聞くようでは、「この人、ちゃんと話聞いてるの?」と思われてしまいます。
それでは、相手も教える気が無くなってしまうでしょう。
仕事も教えてくれない上司への4つの対処法を試してみよう
会社の問題は、体制について指摘して、少しずつ改善していくことができるかもしれません。
ここは諦めず、おかしいと思うことは声を大にして主張していきましょう。
しかし、個人の資質の問題ですと、すぐには変えられないこともあります。
そもそも他人を変えるということは難しいことなので、ここは今すぐできそうなことからやってみませんか?
謙虚な態度で聞いてみよう
まず、一度仕切り直しをする気持ちで、態度を改めてみましょう。
もしかしたら、自分の態度に問題があって、仕事を教えてもらえなかったのかもしれませんが、大人になるとわざわざそれを教えてくれる人はいません。
人を責める前に、自分の姿勢を見直し、「お願いします」という気持ちで相手に接するようにしてみてください。
自分から積極的に聞きにいこう
みんな、自分の仕事で忙しいので、あなたのことを四六時中、気にしているわけにはいきません。
聞いてくれば教えるけれど、聞かれなければ「わかっている」と思って教えないこともあります。
あなたが仕事をわかっていないということに、気づいていないのかもしれません。
教えてもらえないと座っているだけではダメなので、仕事は自分から教わりに行く姿勢が大事です。
自分から声をかけてどんどん聞いていけば、「この人はやる気があるな」と、周りの人も教えたくなるものです。
何を聞きたいのか具体的に聞く
人にものを聞くときに、「わかりません」では教える方も困ってしまいます。
その質問では、何がわからないのか、わからないからです。
趣旨のわからない質問は答えようがありません。
自分なりに調べられることは調べて、それでもわからないことを「この部分は○○というやり方で良いでしょうか」など、具体的に聞きましょう。
事前に少し自分で調べるということは、やる気を見せることにもなりますし、自分で考えて行動できる人だという評価にもつながります。
他に教えてくれそうな人を見つける
悲しいかな、相手に嫌われてしまっていたり、どうしても教えたくないという態度の人の下についてしまった場合、まずは自分でできるだけのことをやって、他に教えてくれそうな人をこっそり探しましょう。
この、「こっそり」がポイントです。
仕事を教えてくれない先輩、上司に問題があり、あなたに問題はありませんが、他の人に教えを乞うと、それもまた反感を買って、意地悪をされる恐れがあるからです。
その人に好かれる必要はないですが、無駄に敵意を煽ってもいけません。
でも仕事はできないと困るので、こっそり教えてくれる人を探し、わからないことがあったときに聞ける人を確保しておくことが大切です。
自分がこの悪循環を断ち切るきっかけになろう
せっかくやる気に満ちて入ってきた会社で、仕事を教えてもらえないという現実に遭遇すると、精神的にすごく疲れると思います。
やりがいのある仕事で疲れるならいいのですが、教えてもらえないなんてつまらないことで、疲れたくはないと思います。
嫌な経験ではありますが、これをきっかけに、会社をより良くする方向で行動してみませんか?
おそらくあなたに仕事を教えてくれない先輩や上司も、その上の人に仕事を教えてもらえなかったのかもしれません。
だからどうやって教えればいいのかわからないだけかもしれません。
それなら、ある意味可哀想な人だといえるでしょう。
それならば、あなたが自力でマニュアルを作ってみるなどして、後から来る人が困らないような環境づくりをしてみてはいかがでしょうか。
自分が仕事を覚えることもできるし、会社のためにもなることです。
何より、何もないところから新しいものを作り上げるという経験があなたの財産になります。
まとめ
教えてもらえないとそのまま座っていても、なかなか状況が変わらないでしょう。
ここは自分から動いてみることが大切です。
教えて欲しいという真摯な姿勢で何度も聞いていれば、もし仕事を教えるのが苦手な人でも、これは頑張らないといけないなと思ってもらえるかもしれません。
あなたの熱意が伝わって、少しでも教えてもらえるようになれば、仕事も楽しくなると思います。
教わったことは次の人に自分が教えられるように、マニュアル作りも頑張ってください。

一般社団法人 Mission Leaders Academy Japan 代表理事
堀内 博文
1990年、高知県生まれ。
若手起業家、または起業を目指す 20 代を中心に、ビジネスでの結果を約束する Result Business Producer として活躍していたが、『自分の命の使い道』を『人を目覚めさせ本来の在るべき真の姿に導くこと』と定め、現在は一般社団法人 Mission Leaders Academy Japan 代表理事としてさらに活動の場を大きくしている。