面接で聞かれることといえば、志望動機や自己アピールがメインですが、最近では「あなたの仕事のやりがいはなんですか?」と聞かれることも少なくありません。
やりがいを聞かれる意図を理解し、その場にあった回答をすることが何よりも重要です。
では実際にどのような回答がベストなのでしょうか?
回答例と合わせて、答え方のポイントなどもご紹介しますので、面接前の対策に是非役立ててください。
また、面接で答えられるようなやりがいを感じていないという人のために、やりがいを見つける方法についてもお話しします。
Contents
なぜ面接で仕事のやりがいを聞かれるのか?
どんなことにやりがいを感じるのか、面接官がその質問をするのは、このような理由があるからです。
ここを理解しておかないと、的外れな回答をして、採用を逃すこともありますので気をつけてください。
求める人物像に近いかどうかを確認するため
会社の方針や仕事の種類、仕事の内容によって、求められている人物像はそれぞれ違います。
例えば、
- アイディアを出す仕事
- チームで商品の企画を考える仕事
- 個人でお客様のコンサルティングを担当するような仕事
- 目標数値を達成する仕事
など、それぞれ適性が違うでしょう。
個人でコツコツと数字を積み上げていくことに喜びを感じる人と、仲間と何かを作り上げることに喜びを感じる人では、向いてる仕事が違うのです。
そこで、今回募集している人材に近いかどうかを確かめるためどんなことにやりがいを感じるのかを聞くのです。
あなたの価値観を知るため
やりがいを感じるポイントは、あなたの価値観に直結する部分があります。
例えば、お給料や昇格することに価値を感じる人と、お金はそこそこでいいから人の役に立ちたいという思いを持っている人とでは、これからのキャリアパスのの考え方が全く違うでしょう。
企業としても、どのような人材をどのように育成していくのかを考えていますから、その方向性が一致しないと、望むポストにつけてあげることができません。
そこで、やりがいを感じることを聞き、どのような仕事のやり方が適しているのかを確認しているのです。
その質問の意図を考えることが大事!
企業は、「こういう人を採用したい」という具体的なイメージを持っています。
ここでわざわざ、仕事のやりがいを聞くのはなぜか?を考えて、答えを組み立てる必要があります。
- 転職理由
- やりがい
- 企業の求める人物像
この3つがしっくりくるように、わかりやすく答えをまとめます。
こんなことにやりがいを感じます!という答えが、求められている人物像とズレがないこと、そしてなぜこの仕事に応募したのか?という転職理由ともあっていることが重要です。
「以前の仕事ではやりがいを感じなかった」という答えでは、後ろ向きな人だと思われてしまうでしょう。
やりがいを聞いて、あなたの価値観がわかり、今回募集している仕事にぴったりくる、そして熱意や向上心を持って仕事に取り組んでくれるだろうと判断されると、ぐっと採用が近づきます。
面接で「仕事のやりがいは?」と聞かれた時の回答例
では、実際の面接の時に、どのように答えたら良いのでしょうか?
あなたのやりがいが伝わるように、やりがいを感じた時の気持ちをストレートに伝えましょう。
人から感謝をされた時にやりがいを感じる例
「最初は、営業職なんて私に務まるだろうか?と不安だらけでした。
実際、飛び込み営業をやっていた時には断られることばかりで、心が折れそうになりました。
しかし、商品を買ってくださったお客様から、『この間あなたに勧められて購入した商品、思ったよりもずっと役に立っているよ、ありがとう。買ってよかったよ。』と感謝された時は、本当に嬉しかったです。
頑張ってよかったと思いました。」
「お客様から苦情を受けることもありましたが、お客様からのフィードバックは何よりも大事だと思っていましたので、誠心誠意、お話に耳を傾けました。
その言葉をしっかりと受け止め、何にお怒りになっているのか、逃げたりごまかしたりすることなく向き合ったことで、『話をわかってくれてありがとう』と感謝されることもございました。
貴重なご意見をくださったお客様に喜んでいただけたことが、何よりも嬉しかったです。」
達成感や自分の成長にやりがいを感じる時
「私は、何かを作り上げることにやりがいを感じます。以前の仕事でも、何度も壁にぶつかることがありました。
このままではダメなのではないかと諦めかけたくなることも正直ありましたが、改善を繰り返しながらその壁を乗り越えた時には、大きな達成感を感じることができました。」
「最初に配属された部署では、なかなか思うような成果をあげられず、気持ちだけが焦って空回りすることもありました。
しかし、徐々に難しい仕事も任されるようになり、目標としていた数字も達成することができました。
仕事を通じて、自分が成長できていると感じた時に、大きなやりがいを感じます。」
仕事の成果を出すことにやりがいを感じる例
「私がやりがいを感じるのは、自分の出したアイディアや企画が通り、新しいものを生み出すことができた時です。
しかもその製品がヒットした時には、無上の喜びを感じます。
売り上げに貢献できたというだけでなく、愛情を込めて制作したものがお客様に愛されているということが何よりの喜びです。」
「営業職はお客様との信頼関係を築くことが何より重要だと考えていますが、同時に、数字を追うことも大事なことだと思っています。
毎月の目標を達成した時や、部署内でNo.1になった時などは、やはり嬉しいですし、頑張ってよかったと思います。」
チームワークが重要だと感じる人の例
「システム系の仕事は個人で仕事をしているように思われがちですが、それぞれの仕事が様々なところで関わりあっています。
お客様の要望に応えられる良いシステムを開発できるのも、それぞれのポテンシャルを最大限に発揮しつつ、良いものを作ろうという一丸となった目標があればこそです。
様々なトラブルにぶつかりながらも、チームで仕事をやり遂げた時には、大きな達成感を感じることができました。」
マネージメントや部下との関わりがやりがいだと感じる例
「初めて自分のチームを持った時、部下の指導で悩むこともありました。
意見がぶつかることもありましたが、自分の部下が社内でNo.1になり表彰された時には、非常に嬉しかったです。
指導する立場となってからは、自分の仕事の成果は部下の成長だと思っていますので、部下にやりがいを感じてもらうことが自分にとってのやりがいになりました。」
これで伝わる!仕事のやりがいを答える時のポイント
仕事のやりがいを聞かれたら、次の2点に気をつけて答えてください。
内容が良いことはもちろん、答え方も重要なポイントなのです。
具体例を交えて話す
抽象的な話は伝わりにくく、アピールが弱くなります。
実際にしていた仕事の内容なども交えながら、具体的に話すことで、相手もイメージが湧きやすくなります。
自信を持って話すこと
日本人は、自分の良い点をアピールすることが苦手な人が多いですが、面接の場ではしっかりアピールすることが大事です。
やりがいを答える時には、達成感や成長した結果など、良い点を話すわけですから、誰にも臆することなく自信を持って話しましょう。
大きなやりがいを感じた時の気持ちを思い出してください。
そうすると、満ち足りた気持ちで、自然と明るく、笑顔で話すことができると思います。
仕事のやりがいを答える時にやってはいけないこと
逆に、これはNGということも覚えておきましょう。
緊張して空回りしないように、気をつけなくてはなりません。
「特にありません」と答えてしまうこと
事前に答えを用意していても、その場になると緊張して頭が真っ白になってしまうこともあると思います。
そんな時に、「特にありません」とは絶対に答えないこと。
一呼吸置いて、ゆっくり思い出せば大丈夫です。
もしくは、「すみません、少し緊張しています」と一言断り、深呼吸してから答えましょう。
応募している職種と関係のないことを答えてしまうこと
転職サイトなどを見て、回答例だけを丸暗記して答えるのもNGです。
企業研究をしっかりして、求められている人物像や今回応募している職種と、自分のアピールしたいことにズレがないかどうか、よく考えて回答を練り上げましょう。
例えば、チームで企画立案する仕事なのに、「個人で成績を追うことにやりがいを感じます!」という答えはしっくりきません。
嘘や作り話はいけませんが、職種や人物像に合致するように話を持っていくことが大切です。
そもそもやりがいを感じていないときはどうすればいい?やりがいの見つけ方
今の仕事にやりがいを感じられなくて、面接でどう答えればいいかわからないという人は、これからでも遅くはありません。
やりがいを見つけましょう。
人が仕事に「やりがいがない」と感じるときは以下のような状況が挙げられます。
- 仕事を頑張っても認めてもらえない
- 誰かの役に立っていると感じられない
- 仕事で失敗ばかりしてしまう
- 目標が特にない
- 代わり映えのない仕事に飽きてしまった
つまり、これらが改善されればやりがいとなるということです。
次章から、具体的にどのようにやりがいを見つける方法について説明します。
人間関係の改善
エン・ジャパン株式会社がおこなった「仕事のやりがいと楽しみ方」の調査によると、仕事を楽しむ上での工夫として
- いろいろな人と関わりを持つ
- 人間関係を良くする
と回答した人が多くいました。
具体的な意見として、
- いろいろな人と関わりを持つことで、考え方や受け答えのレパートリーが広がって、仕事が楽しくなる
- 仕事で行き詰まった時に人脈が突破口になることが多い
- 女性がメインの職場なので、仕事中の会話を大切にしている
- 後輩に積極的に声をかけてコミュニケーションをとっている
などがありました。
人間関係を築くのが苦手な人は、どのようなポイントを意識してみてください。
挨拶は徹底し、時には雑談を
まず、基本として挨拶は笑顔でしっかりとしましょう。
挨拶をされても目を合わせない、はっきり挨拶を返さないのであれば、相手は「自分のことがあまり好きではないのかな」と感じてしまいます。
何かをしてもらったら、「ありがとう」と感謝を伝えるのも忘れてはいけません。
しっかりお礼を言ってくれる人には、相手もまた何かしてあげたいと感じます。
また、休憩中や仕事の妨げにならない程度の雑談は、人間関係を築くために非常に大切です。
「こんなことを言っても楽しくないかな」と雑談を避けず、何か話してみましょう。
何気ない雑談から相手との共通点が見つかりますし、自分から話しかけることで相手からもあなたに話しかけやすくなります。
話しは最後まで聞く
相手が話している最中に会話をさえぎらないようにしましょう。
話しの途中で「こういうことを言いたいのかな?」と想像し、話しをさえぎる人は意外と多いものです。
話しをさえぎられると相手はあなたを「しっかり話しを聞いてくれない人」と思い、話しかけるのをやめてしまうかもしれません。
適度にあいづちを打ちながら、相手の話しを最後まで聞きましょう。
ちゃんと聞いてくれると感じれば、相手もあなたにいろいろな話しをしたくなるものです。
相手に合わせることも大切
「自分はこう思うから」とかたくなに相手を否定してしまうのは良くありません。
話した内容や自分の考えを頭から否定されたら、「この人とは合わない」と思われてしまいます。
ですから、意見が合わなかったとしても、相手の気持ちを考えて返答することもときには大切です。
また、話しの内容に興味がなくても、相手が話しているのであれば耳を傾けましょう。
興味がないという空気を出していると、非常に話しかけづらくなってしまいます。
人間関係を良くしたいのであれば、相手の話しを聞いているという姿勢を見せてみましょう。
目標を設定する
例えばマラソンをしていたとして、ゴールがわかっていれば「そこまで頑張って走ってみよう」と思えます。
しかしゴールがあまりにも遠すぎたり、どこにゴールがあるのかわからなければ「いつまで走り続けなきゃいけないの?」と感じ、疲れて歩いてしまうのではないでしょうか。
目標は仕事をする上で大切なゴールとなります。
ゴールがわかっていればそこに向かって走ることができ、仕事へのモチベーションを上げることができるのです。
また、少し頑張れば達成できる目標を細かく設定し、それを繰り返し達成することで自分の自信にも繋がります。
仕事で自信が持てると、やりがいを感じられるようになるでしょう。
目標を設定するときは、
- 長期的な目標…1年など長いスパンの目標
- 中期的な目標…数ヶ月で達成できそうな目標
- 短期的な目標…数日から1ヶ月で達成可能な目標
これらを分けて考えます。
長期目標だけではすぐに達成することができず、目標を達成するために何をすべきかを見失ってしまう可能性があります。
短期目標を積み重ねて中期目標を達成し、最終的に長期目標が達成できるように進めましょう。
目標を立てるときに気を付けたいのが難易度です。
容易に達成できてしまう目標は自信になりませんし、高すぎる目標は達成できなかった時に心が折れてしまうことも。
必ず頑張れば達成可能な範囲で目標を設定してください。
どんなことも前向きにとらえる
例えば仕事で失敗をしてしまったときに上司から叱責されたとします。
そんなとき、怒られたことに落ち込むのではなく、
- どうしてこのような失敗をしたのか
- どうすれば次から同じ失敗を繰り返さないか
など、先につながる考え方をしましょう。
失敗した事実は事実として受け止めますが、その経験を次に生かしてください。
また、失敗しても臆病になってしまうのではなく、「これ以上の失敗はない」ととらえて「次は成功させる」と前向きに考えましょう。
笑顔を心がける
人は意識して表情を変えることで、気分も変えることができます。
不機嫌な表情は気持ちに余裕がなくなりますし、笑顔でいれば幸福感がアップします。
人と話すときには笑顔を意識して、そうでないときも口角をいつもより少し上げるように意識してみましょう。
笑顔は気分を明るくし、ポジティブに考えやすくなります。
笑顔と同時に意識したいのが、言葉です。
「無理」「つまらない」といったようなネガティブな言葉ではなく、「楽しい」「頑張ろう」といったようなポジティブな言葉を意識して使い、人から何かをしてもらったら笑顔でお礼をいいましょう。
笑顔とポジティブな言葉は、あなた自身が明るくなり、周りにもいい影響を与えます。
仕事をすることが楽しくなれば成果も出やすくなり、やりがいも感じるようになります。
挑戦することを恐れない
なにかをやる前から、失敗したときのことを考えてしまっては何も行動できません。
どんなことでも、まず挑戦してみましょう。
それは仕事だけではなく、プライベートでも同じです。
新しい趣味を始めてみたり資格の勉強をしてみるなど、挑戦を続けているとなにかを始めるときの恐怖心や不安を感じなくなります。
一つ壁を乗り越えれば、その達成感がやりがいに変わっていくでしょう。
まとめ:仕事のやりがいは具体例を交えて自然な笑顔で話すのがポイント!
何にやりがいを感じるのか、ある意味簡単な質問です。
これまでやってきたことの中から、自分が感じたことをまとめて話せばいいのです。
ただし、企業の求める人物像や、応募している職種とあっているかどうかをよく考えて、回答を練りましょう。
今回ご紹介した回答例を参考にして、具体的なエピソードを交えた答えを考えてみてください。
また、話すときは明るく、笑顔で答えることも忘れずに!
自分の良いエピソードなので、自信を持って話してください。
自信を持って話せるやりがいがないという人は、これからで見つけることはできます。
人間関係や仕事の目標設定を見直し、これまで頑張ってきた経験の中から、やりがいを見つけてください。
一般社団法人 Mission Leaders Academy Japan 代表理事
堀内 博文
1990年、高知県生まれ。
若手起業家、または起業を目指す 20 代を中心に、ビジネスでの結果を約束する Result Business Producer として活躍していたが、『自分の命の使い道』を『人を目覚めさせ本来の在るべき真の姿に導くこと』と定め、現在は一般社団法人 Mission Leaders Academy Japan 代表理事としてさらに活動の場を大きくしている。