自分自身の仕事に対する価値観を理解していますか?
価値観を考慮せずに転職活動をしてしまうと、自分に合わない職業や会社を選んでしまう可能性があります。
なぜなら、「仕事をしていく上で、こうありたい」という自分の気持ちに気付かないまま転職することになるため、働いているうちに「こんなはずじゃなかった」と感じてしまうかもしれないからです。
そこで今回は、自分の仕事に対する価値観を知るために役立つ2つの診断をご紹介します。
転職を考えているのであれば、ぜひ一度自分の価値観を見つめなおしてみてください。
Contents
なぜ転職で仕事に対する価値観が重要なのか
仕事に対する価値観は、どんな企業で働きたいかを考えるときに、ひとつの目安となります。
なぜなら、価値観を知ることであなたがどんな働き方が向いているか、どのように生きていきたいかが整理できるため、その価値観に合う企業を選ぶことができるからです。
転職だけでなく、今後のキャリアを考える上でも非常に重要になってきます。
例えば、あなたが出世よりもワークライフバランスを重視する価値観を持っているのに、自分ではそれを理解せず価値観に合わない企業に転職してしまった場合、働きづらさやストレスを感じてしまうかもしれません。
そうならないためにも、まず自分はどのように働きたいのかを知る必要があるのです。
自分の仕事に対する価値観を診断するには、以下の方法があります。
- 厚生労働省の価値観診断
- キャリア・アンカー
では、それぞれの診断についてご説明します。
厚生労働省の価値観診断で仕事に対する価値観を知る
仕事に対する価値観を知るために、手軽に診断できるのが厚生労働省の「ジョブカード制度総合サイト」内にある、「価値観診断」です。
25問の質問に、
- よくあてはまる
- あてはまる
- あてはまらない
のどれかを選んで回答していきます。
この診断は複雑ではなく手軽に診断できるのがポイント。
診断結果から5つの価値観に点数が付けられ、点数の高い価値観ほど自分にとって重要な価値観であることがわかります。
価値観診断でわかる5つの価値観
では、価値観診断にある5つの価値観についてご説明します。
専門志向
専門的な知識や技術を高めて、自分が定めた専門分野で能力を発揮したいタイプ。
専門と聞くと技術職などを思い浮かべるかもしれませんが、1つの仕事を突き詰めて、その仕事で能力が発揮できることに喜びを覚えるのであれば、専門思考と言えます。
そのためどんな仕事であっても、自分が専門分野と感じるのであれば、技術職でも営業職でも事務職でもあてはまります。
しかし、自分の決めた専門分野以外に異動になったり、昇進によって自分の専門分野だと感じている領域を超えた責任を追わされることが、ストレスとなってしまうことも。
経営管理志向
経営管理思考は、仕事の内容は二の次で、高い地位から組織に貢献したいタイプ。
そのため、昇進することに満足感を覚え、重い責任や人材育成に興味を覚えますが、専門に特化しすぎることは避けたいと考えます。
専門的な知識を突き詰めるのではなく、経営に必要となる全般的な能力の獲得を目指し、評価や会社のステータスを重要視するのが特徴です。
自律志向
このタイプは、自分のやり方やペースをにそって仕事を進めたいと考えており、集団維持のためにルールに縛られることを嫌います。
そのため、企業に属することよりも、独立を目指す傾向が強いのが特徴と言えるでしょう。
独立しない場合であっても、フレックスタイムや在宅勤務などの自由度や裁量の幅が大きな仕事をしたいと考えます。
起業家志向
自分の独創性を発揮し、今までにないようなサービスや製品を生み出したり、事業を買収して再建することに喜びを感じるタイプです。
そのため、独立や起業をするか、社内ベンチャー制度などの組織に属しながら起業家として活躍できる企業が向いています。
生活重視志向
ワークライフバランスを重視し、仕事とプライベートな時間のどちらも充実させたいと考えるのがこのタイプ。
生活重視志向の場合は、男性であっても積極的に子育てに参加するなど、個人や家族との時間を大切にします。
そのため、ワークライフバランスの実現に注力している企業を信頼する傾向が強いタイプです。
価値観診断をしてみよう
厚生労働省の価値観診断は以下のページから診断がおこなえます。
https://jobcard.mhlw.go.jp/selfanalysys/values_diagnosis.php
キャリア・アンカーで仕事に対する価値観を知る
キャリア・アンカーとは、キャリア形成をしていく中で「譲れない」と感じる
- 価値観
- 能力
- 欲求
などの「どのようにありたいか」を問うキャリア理論の概念です。
人は30歳前後でキャリア形成が確立されると言われていますが、一度確立したキャリア形成は、自分を取り巻く状況や年齢などに左右されにくく、その人のキャリアを生涯にわたって決定付けます。
厚生労働省の価値観診断よりも細かな8つの価値観に対して、自分にどのような傾向があるのかを知るために、40問の質問に、
- まったく違う
- やや違う
- どちらかというと違う
- どちらかというとあてはまる
- だいたいあてはまる
- あてはまる
のどれかを選んで回答していきます。
価値観診断よりも細かく、質問数が多い診断ですが、より自分の価値観を知ることができるでしょう。
キャリア・アンカーでわかる8つの価値観
キャリア・アンカーには、
- 管理能力
- 専門・職能別能力
- 保障・安定
- 起業家的創造性
- 自律と独立
- 奉仕・社会貢献
- チャレンジ
- ワークライフバランス
このような8つの分類があります。
この中で、価値観診断と同様の結果は以下の通りです。
- 管理能力…経営管理思考
- 専門・職能別能力…専門思考
- 起業家的創造性…起業家思考
- 自律と独立…自律志向
- ワークライフバランス…生活重視思考
上記以外の3つの分類についてご説明します。
保障・安定
公務員や終身雇用が期待できるような大企業など、社会的にも経済的にも安定して働けることを好むタイプ。
リスク回避を優先し、堅実にキャリアを積み上げていきたいと考えます。
そのため、大きな変化を嫌い、築いてきたキャリアと異なる働き方を強いられたり、部署移動をしなければならない場合にストレスを感じてしまうでしょう。
奉仕・社会貢献
社会への貢献を実感できる、
- 医療系
- 社会福祉
- 教育
などの分野に強く興味を持つタイプです。
仕事で社会に貢献したいと考えているため、誰かを支援することで満足感を得ます。
チャレンジ
困難な挑戦や、周囲と切磋琢磨することを好むタイプ。
自ら困難な状況に挑み、解決することで満足感を得ます。
ルーティンワークのような決められた仕事や淡々と進める仕事は苦手ですが、異動や配置換えにストレスを感じず、ハードワークも喜んでこなします。
キャリア・アンカーで診断をしてみよう
キャリア・アンカーは以下のページから診断がおこなえます。
https://chikaku-navi.com/carrier/
仕事に対する価値観の診断をする際のポイント
価値観診断やキャリア・アンカーの診断をする場合には、必ず考え込まずにどんどん回答していきましょう。
回答を考えてしまうと、本当に自分が考えていることとは違った答えを選んでしまう可能性があるため、頭にぱっと思いついた回答を選ぶ必要があるのです。
また、分類によって善し悪しがあるわけではありません。
あくまでも、自分がどうなりたいかを知るための診断です。
中にはキャリア・アンカーの8つの分類にはあてはまらない人もいますので、診断結果は「自分にはこのような考えもある」というように、ひとつの目安として受け止めましょう。
まとめ:転職は自分の価値観を理解した方が失敗しない
転職する際に、自分の仕事に対する価値観を理解していることで、企業選びの目安となります。
価値観を知るためには、以下2つの診断をおこなってみましょう。
- 厚生労働省の価値観診断
- キャリア・アンカー
価値観診断は25問の質問に3択から回答する手軽な診断で、5つの価値観それぞれに点数が付いてどのような傾向があるかを知ることができます。
キャリア・アンカーは40問の質問に6択から回答する診断で、価値観診断よりも時間がかかりますが、さらに細かな8つの価値観それぞれに点数が付いて、どのような傾向があるかを知ることができます。
価値観を診断する場合は、考え込まずに直感で答えていくことが大切。
また、診断結果はあくまでも目安であることを覚えておきましょう。
一般社団法人 Mission Leaders Academy Japan 代表理事
堀内 博文
1990年、高知県生まれ。
若手起業家、または起業を目指す 20 代を中心に、ビジネスでの結果を約束する Result Business Producer として活躍していたが、『自分の命の使い道』を『人を目覚めさせ本来の在るべき真の姿に導くこと』と定め、現在は一般社団法人 Mission Leaders Academy Japan 代表理事としてさらに活動の場を大きくしている。